バラ色の海外生活、なんてない

身心共に疲れたから日本を出たい、と今にも仕事を辞めてどこか海外に移住しようとしている日本語しか話せない友人に、私はなんと声を掛けたら良いのだろう。久しぶりにもやもやした気分になっている。

彼女の人生だ。彼女の好きなようにすれば良いのだと思う。でも海外在住者としては、少し現実をお伝えしたくなってしまうのも事実だ。疲れの種類こそ違えど、海外生活で身心共に疲れない人などまずいないと思う。言語ができないならなおさらだ。

母国語以外の言語で日常生活を送ること、全然知らないルールの中で生活すること、人間関係を何もないところから構築すること、それらは刺激的で面白いと感じることもあるけれど、それが毎日続くとなれば話は別だ。短期的には楽しいことでもそれはストレスのもとになる。

移民を希望してカナダに来たのに、精神的に追い詰められてカウンセリングに通ったり、仕事が見つからないためにカナダでの生活を捨てて自分の国に帰ってしまった人を、私はたくさん知っている。

かくゆう私もカナダでの3年間を振り返ると、涙が止まらない時期が数週間続いたり、胃薬が手放せない時期があったり、ストレスで耳が聞こえなくなったりしてきた。心配した友人が生存確認のために毎日電話をくれたほどだ。

ネット上には海外移住の良いことがたくさん書かれている。それは海外移住をサポートする会社だったり、語学学校だったり、海外生活を謳歌している個人だったりする。私自身もブログには基本的にネガティブなことを書かないので、私のブログを読んでくれている方は、もしかしたらバラ色の海外生活をイメージするのかもしれない。でも現実はそう簡単ではない。

私は日本を出たことを後悔したことは一度もないし、カナダに来てよかったと思っているし、これからもカナダで生きていきたいと思っている。でも正直なところ、今3年前に戻ってもう一度同じ生活をしたいか、と聞かれたらそれはNOだ。

日本での生活に疲れて海外を目指すのも、それはそれで良いのだと思う。そこに私は口を出すつもりはない。でも、海外生活をすると考えた時に、毎日の生活がどのように変化するのか、それを少しだけ現実的に想像して真剣に考えてほしいと思う。

とこんな文章をほぼ無意識のうちに書いていてなんだか不思議な気持ちになっている。私は辛かったのだなぁと今更ながら思うのである。辛いことがあってもそれ以上に楽しいことがあるのが海外生活なので、あまり辛いことにフォーカスすることはないけれど、でもやっぱり大変だったな、と思う。私は過去を振り返ることは基本的にしないけれど、たまにはこうして文字にして振り返ってみるのも悪くないのかもしれない。

4年目の今でも相変わらず悩みは尽きないけれど、自分と真剣に向き合い、カナダでの生活をより良いものにするために、一歩一歩今の私にできることを粛々とやるしかない。その一歩一歩が未来の私の助けになることを信じながら。

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