「今日の仕事は楽しみですか。」から考える日本人の仕事観

品川駅の「今日の仕事は楽しみですか。」の広告が批判され、1日で広告が取り下げられたという。多くのネット記事には写真が載っていて、その画像はものすごくインパクトがあった。この広告には続きがあった、ということも一部で話題になっていたようだが、それを知ってもなお、この広告を批判する人が後を絶たない印象だ。

そんなネット上での反応を見ながら、私は数年前に日本で働くヨーロッパ出身の友人とした会話を思い出した。

友人は私の仕事について一通り聞いた後、私に質問した。

「Mikiはその仕事を楽しんでいるの?」

今までそのような質問をされたことがなかったので少し驚いたが、楽しいと答えた。それは本心だった。

友人は笑顔で「それはよかった」と言って「日本人は仕事を楽しんでいない人が多すぎる」と続け、友人の職場で働く日本人がいかに楽しんでいないかについて説明をしはじめた。以前より友人からは、転職先であるグローバルIT企業で最新のIT技術に触れることができて、仕事がすごく楽しいと聞いていたので、友人の職場の日本人がそのような状態でないことは意外だった。そして同じ日本人として複雑な心境にもなり、友人になんて言ったら良いのかわからなかった。

同じ職場で同じように働いているのに、なぜこのようなことが起きるのだろうか。

友人との会話の中で、友人は「仕事は楽しむもの」という前提で仕事に取り組んでいて、そして実際に自分のやりたい仕事に就き、仕事をポジティブにとらえ、楽しんでいるのだということが伝わってきた。

では日本人はどうだろう。「仕事は大変なもの」「仕事は我慢するもの」のような前提で仕事をしてはいないだろうか。だから仕事のネガティブな面を探し出してしまう。そして「今日の仕事は楽しみですか。」と問われるとネガティブな感情が溢れ出す。

せっかく仕事をするなら、少しでもポジティブな要素を探して楽しんだ方が良いのではないか。楽しむことで仕事の効率もあがり、成果も出てくるように思う。

そして、人生の多くの時間を使う「働く」という行為を楽しく過ごせたら、人生はもっと楽しくなるし豊かなものになるのだと思う。そんな日本人が増えれば、日本はもっと幸せな人が多い国になるのではないか。

私は引き続き、いつでも「仕事を楽しんでいる」と言えるように、毎日を過ごしていきたいし、私と関わってくれる方々には安藤と仕事をすることが楽しい、と言ってもらえるようにできたら良いなと思っている。

朝7時半、トロントのストリートカーの停留所

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