出勤という戦い

会社までバスで40分。会社から帰宅する時には少し渋滞に巻き込まれて1時間くらい。行きも帰りもほぼ必ず座れる。乗り換えはなし。こんなことを言うと、東京の通勤ラッシュに比べると随分ラクだと思われるかもしれない。確かに、人に揉みくちゃにされながらの東京の通勤ラッシュに比べると随分マシだとは思う。でも、日本にはない悩みがトロントにはある。

まず、バスがこない。平日は10分おき、日曜日は30分おき、というスケジュールでなんとなく毎日同じような時間にくるものの、時刻表はない。だから家を出る時にアプリで確認してから家を出る。これは少し困るが、事前に対策を立てればどうにかなる。

このように対策を立てながらTTCを利用しているが、最近何度も冷や汗をかいている。

私の最寄りのバス停の隣で、ずいぶん前から新しい地下鉄を開通させるための工事をしている。その工事の範囲が少しずつバス停に迫っていたのだが、ある日なんとバス停の場所が立ち入り禁止エリアになっていたのである。バスが到着する時間は迫っていて、隣のバス停まで歩いている余裕はない。そこで、立ち入り禁止を伝える看板の前で乗るバスが来たら合図をして停まってもらうことにした。これを逃すとあと10分以上次のバスがこないかと思うとなかなか緊張するものである。色いろな行き先のバスが通り過ぎて行く中、無事に目当てのバスが停まってくれた。ドライバーに、明日以降も乗るが、どこで待っていれば良いのか?と聞くと、工事次第だからわからん、と答えにならない答えが帰ってきた。むしろドライバーはそんなことを俺に聞くな、とでも言いたげだった。

先日はこの出来事の上を行く事態が起きた。遅刻するのではと思い、タクシーに乗ろうか迷ったほどである。なんとバス停の先にある交差点が工事のために通行止めになっており、最寄りのバス停にはバスがこなかったのだ。しかも私が知ったのは、10分以上もバス停で待った後。一緒に待っていた空港に行くという大きな荷物を持ったおばちゃんと、バスがこないことを伝える紙が電柱にくっついているのを一緒に見つけ二人でびっくりしたのだった。

しかも10分に一本来るはずのバスは25分後までこないとアプリは言っている。この時間があればバスの来るバス停まで移動できるが、さすがに会社は遅刻ではないかとやきもきした。

結果的に会社へはぎりぎりで間に合ったものの、いつものように会社でのんびり取っている朝食が取れず、ランチまで食事はお預けとなった。

いつもバスに何かがあると嫌なので、早く出社して会社で朝食を取っている。バスがこないことで朝からストレスを感じたくないのだ。他の同僚は遅刻することにそれほど罪悪感を覚えていないように見えるが、私はとても嫌だ。でもこんな時、私は日本人だなと思うし、この感覚は日本から離れて4年経った今でも変わらない数少ないことの1つなのだと実感する。

そんな私は入社して4ヶ月経った今でも無遅刻無欠勤である。トロントでTTCを使っている身としたらちょっとがんばっている方だと思う。

バス停はこの先に

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