ナイアガラの滝が凍る季節

最近、トロントは寒くない。トロントに来て3年目、寒さの基準が変わってきていることを強く感じる。1年目のトロントの冬にマイナス5度で騒いでいた自分が嘘のようだ。

人間は環境に順応するらしい。東京で生活をしていた時には、自分が「生き物」だということをなんだか忘れていたような気がするが、この環境に順調に馴染み始めている私の身体と、身近に自然のある環境にいると、やっぱり私は生き物、というか動物の一種なのだと実感する。

最近のトロントは寒くないとは言っても、この記事を書いている2月5日午後3時はマイナス7度で私の故郷の東京とは比較にならないほど寒い。でもトロントの冬を思うとそれほど寒くはないのだ。

最近のトロントは寒さが落ち着いているけれど、年末年始はとんでもなく寒かった。なんと2017年12月28日にはマイナス22度になり、57年ぶりに最低気温を更新した。毎年行われている年始のオンタリオ湖での寒中水泳のイベントも寒さのために初めて中止された。マイナス22度と聞くと大して寒くないように聞こえるかもしれないけれど、体感はマイナス40度を記録したりするので、かなり寒い。風は寒いというより痛く、呼吸をするのも苦しい。もし深呼吸をしたならば、肺が凍るとも言われる。恐ろしい寒さなのである。

寒い冬限定で凍るというナイアガラの滝も今年は凍った。去年とおととしは凍らなかったので、これはチャンス!とばかりに1月のある日、凍ったナイアガラの滝まで行ってきた。

ナイアガラの滝はトロントからバスで2時間くらい。カジノバスというカジノ利用者専用のバスを利用すれば、初回は25ドル、2回目からはなんと8ドルで往復できる。私は会員カードを無くしてしまっていたが、8年前に一度利用した記録が残っていたらしく、2回目の金額で乗車できた。このカジノバス、カジノ利用者のためのバスなのだが、カジノ利用者以外も普通に利用できる。一応、カジノで最低5ドル使用することを推奨されていたので、私と友人はカジノで5ドル使ったけれど、帰る際に誰もチェックしていなかったので、カジノの利用はなくても問題なさそうだった。

左側に見えるのがカジノバスのサービスがあるカジノの建物。 外を歩いている人はみんな厚着。

凍ったナイアガラの滝を観に行ったのだから当然と言えば当然なのだが、ナイアガラの滝はとても寒かった。これでもか、というほどユニクロを駆使して厚着をしていったのに、寒い。たくさん着こんでいたが、足先の防備が不十分だったのだ。

でも凍ったナイアガラの滝は幻想的で美しかった。一度は見ておく価値があると思う。でも日本から凍ったナイアガラの滝を目指してくるのは少し難しいかもしれない。どのタイミングで凍るかわからないし、凍っていたとしてもコンディションが良い日に訪問できるかどうかわからないからだ。凍ったナイアガラの滝を良いコンディションで観ることができるのは、トロントに住んでいる人の特権なのだと思う。

雪と氷と…寒さがよくわかる。

滝壺へ吸い込まれる水は氷も混じる。

普段は水がある場所も完全に凍っている。

ここが全部水だったなんて信じられない!

滝壺の反対側。幻想的で綺麗な景色。木も枝も全てが凍っている世界。

こんなに寒くても鳥は飛ぶんだな…と当たり前のことを考える。

反対側のバッファロー(アメリカ)。カナダ側よりもよく凍っているように見える。

これもバッファロー。幻想的すぎて綺麗すぎる。

これもバッファロー。ここまで凍った木は見たことがない!

すべてが凍る。

片側だけが綺麗に凍っている。風の影響だろうか。

これでもか!と着込んでみました。

寒い寒いと家の中に引きこもることもできるけれど、寒いトロントでこそできる特別なことを探したい。凍ったナイアガラの滝の観光は、そんな私にぴったりの場所だった。

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