最近、土曜日の午前中にトロント日本語学校でのティーチングアシスタントのボランティアを再開した。2年前は子どもクラスを担当していたが、今回は大人クラスだ。レベルは8段階中6なのでかなりの上級者である。敬語も怪しいながらも使えるし、画数の多い漢字も勉強する。初回のクラスではあまりに受講生が話せることに驚いた。
先週は漢字の小テストがあり、私が採点した。間違えるポイントは同じ漢字を勉強するであろう日本の小学生と似通っていて(線を一本多く書いてしまったり、同じ読み方の違う漢字を書いてしまったり)、私も漢字を勉強していた遠い昔のことを思い出した。
自主的に学校に通っている大人だけあって、みんな良い点数だった。間違えると横に正解を書かなければいけないのだが、ほとんどその必要もなく採点はスムーズに終わった。
テスト後、受講生がこんなに漢字を書く練習をしたんだ、とノートを自慢げに見せてくれ、私も漢字ドリルをやっていた時のことを思い出した。日本人も小学校では漢字ドリルというものをやるんだよという話をしたら、受講生は日本人でも書く練習するの!?と驚いていたので、練習しないで漢字が書けるようになるわけないでしょ!と答えておいた。日本人だって練習するんだからしっかり練習しなさいよ、と少し偉そうに。
日本語学習者と話をしていると頻繁に居心地が悪くなる。それは多くの場合日本語学習者に言うことは私の英語学習にも言えることだからである。単語が覚えられずにしょっちゅう落ち込んでいるけれど、英語ネイティブの人も長い間の繰り返しの中で単語を覚えてきたはずなので、私は英単語を覚えられないことに言い訳にしてはいけないのだと。そしてパソコンを使っていると漢字の書き方をうっかり忘れてしまったりするように、英語ネイティブも単語のスペルを忘れて日本人の私に指摘されたりする、つまり使い続けないと言語は定着しないのだ。
日本語クラスのTAボランティアは日本語への興味から始めたけれど、日々英語に苦しめられている私を勇気づけモチベーションを上げてくれるありがたい存在でもある。
私の日本語に対する構造的な理解はかなり怪しいので受講生にどれだけプラスに働いているかは正直わからないけれど、少しでも日本文化や日本にまつわることについて共有することで、受講生たちにより日本を好きになってもらえたら良いと思っている。
明日も朝から授業だ。プレゼンテーションの準備が宿題なのでそれを聞くのが楽しみである。