台風と情報収集

先週末の台風19号の上陸はトロントからみていてとても気を揉んだ。心配だったのでYoutubeの台風のライブニュースを付けっぱなしにして聞いた。こんなことは日本を離れてから始めてだった。日本にいないと入ってくる情報も限られるし、実際に起こっていることを体験できないので余計に心配になるのだ、ということを改めて感じた。

私には情報収集の方法が限られていたので、荒川の水位を調べるために色いろなサイトを見てまわった。荒川が氾濫したら実家は確実に大きなダメージを受けるからである。途中でアクセスが多かったせいか接続が悪くなっていたけれど、一番よかったのは増水中の川の様子をライブで確認できたことだ。一次情報をリアルタイムで得ることは安心につながった。

台風が去った後の荒川。水位がみたこともないくらい上がっているのだがわかる。

幸い私の実家の周辺は川の氾濫もなく、事なきを得た。でも場所によっては一週間以上経った今でも孤立していたり、何らかのインフラが欠けている状態だったり、インフラは復旧してもその水害の後処理のために大変な思いをしている人が多いらしい。本当に一日でも早い復旧を心の底から願っている。

私は基本的にtwitterをやらないのだが、twitterで情報収集をする人も多いと聞く。リアルタイムで情報収集をするにはtwitterが良いらしい。だがそんなtwitterで今回も他の災害と同様に不確かな情報やデマが多く流れていたようだ。詳しくはニュースのタネ「《週刊》ネット上の情報検証まとめ(Vol.2/2019.10.16)」を確認してほしいのだが、今回の台風でないものの写真があたかも今回の台風であるかのようにツイートされ、何万件もリツイートされたり何十万件ものいいねを獲得していたりする。冷静に考えるとどこかおかしいのではないか、と思えなくもないツイートがこれまで拡散っしてしまうのは、皆台風情報を欲していて冷静さを失っていたからなのだろうか。いずれにしても、ツイート主はなんの目的でこんなツイートをするのだろうかと私は強い怒りを感じる。

情報収集能力や情報選別能力が、特にこのような災害時には求められているのだと感じられずにはいられない。場合によってはデマを信じたことで命を落としかねないのだ。

インターネットの普及によって、色いろな媒体を通じて色いろな人から様ざまな情報を取得できるようになったことは大変喜ばしいことだが、一方で悪意のあるなしに関わらず正確ではない情報も同時に流れていることを自覚し、自分自身で情報の選別をする必要があるのだと思う。

それは簡単なことではないけれど、もう現代において避けては通れない道なのだと、改めてこの台風の情報をみていて思うのだった。

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