タウンシップツアー 憧れるのは白人(2/5)

タウンシップツアー 怪しげなガイド(1/5) 続き

ガイドはなぜ貧困から抜け出せたのかを教えてくれた。

ランガの中でも極端に貧しかった彼の家族は、食糧を購入することができなかったので、毎食教会の炊き出しを利用していた。教会で食事をもらうには、ランガの多くの若者がやる大麻や覚せい剤をやっていたり、お酒を飲んでいるともらえない。だから彼は極端な貧困ゆえに悪いことができず、真面目に生活してこられた。2010年の南アフリカワールドカップが行われる時に、ワールドカップに関連する学部への進学に政府が奨学金を設けた。彼はその奨学金を得て大学に入学し知識を得たことで、こうして仕事をすることができ、貧困から抜け出すことができたのだ、と言った。

それでも大学では苦労の連続だったという。大学へ進学する人は公立学校ではなく私立学校で学ぶので、それまでに受けてきた教育のレベルが全く違った。自分の見た目からランガ出身の奨学生であることはもう目に見えて明らかなので、学校では他の学生がなかなか仲良くしてくれなかったし、何かクラブに入ろうとしてもランガ出身だからという理由で断られたりしたと言う。

なんと相槌を打ったら良いのかも良く分からず、私は彼の話を聞いていた。そしてほとんど同じ歳であろう彼の苦労を想像しようにも想像できずに途方に暮れた。

そんな話をしつつもツアーは進行しており、ついに車を停めて外に出ることになった。

スタートはGuga S’thebeというコミュニティーセンターから。

ユースディの振り替え休日ということもあり、中ではイベントが行われていた。

白人が混ざっていたので聞くと、白人は政府の人だ、と教えてくれた。白人は通常ここにはこないのだと。中でも一番印象深かったのは、自分の夢をボードに書いたものだった。雑誌を切りぬいたボードを見てガイドは言った。これはすごく良くない例だ、写真が全部白人だ。これを作成しているのは黒人なのに、白人に憧れているし、成功するのは白人なのだというイメージを持っているのだ、と。

確かに白人の切り抜きである。

その他には焼き物の工房や地域のアーティストが作ったお土産物を売っている場所もあった。無言だけれど確実に買うことを期待されているような雰囲気の中、私は何も買うことなくそそくさと後にした。

座っている女性がアーティストで、この部屋にあるものはすべて彼女の作品なのだという。

その後はいよいよランガ散策である。民家への入口付近にはその場に似つかわしくない綺麗な高級車が停まっていた。ガイドは何やら挨拶をしている。聞けば彼はプライベイト警備員らしい。ランガには警察署があり警察官もパトロールをしているけれど、何かあった時にすぐに駆けつけてくれるとは限らない。だからランガで観光ツアーをするガイド会社が皆で特別に警備員を雇っているのだという。彼らは何かがあればすぐに来てくれ、問題を解決してくれる。そうすることでこのランガの治安が保たれ、安全に観光ツアーができるようになっているのだそう。

プライベイト警備員は黒い車で待機

タウンシップツアー 人々の生活(3/5) に続く

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