南アフリカと格差

私は今までそれほどアフリカという場所に興味を持つ機会がなかった。アフリカの国でビジネスをしている友人がいたり、カナダの学校でアフリカ大陸からの留学生との共同課題をする際に、上手にコミュニケーションが取れなくて(価値観が異なり、前提としているものが全く違うので前提のすり合わせから始めなければならない)困ったことくらいなものだった。

だから南アフリカに行くことになった時、ネルソンマンデラの国だということと、アパルトヘイト政策の名残で格差がありそう、という漠然としたイメージしかなかった。そんな中、ネットで現地ツアーを調べてみると、タウンシップツアー(いわゆる貧困街ツアー)というものがあり、それに参加すればガイドとともに安全に貧困地域を見学できると知って、興味本位でツアーに申し込んだ。

早速私が衝撃を受けたタウンシップについて書いていきたいと思ったけれど、そもそも南アフリカのことを何も知らないと想像しにくいと思うので、ツアーについて書く前にデータから南アフリカを考えてみようと思う。

ウォーターフロントエリア。ここは監視カメラだらけなので夜でも安全らしい。

  • 面積:122万平方キロメートル(日本の約3.2倍)
  • 人口:5,672万人
  • 民族:黒人(79%)、白人(9.6%)、混血(8.9%)、アジア系(2.5%)
  • 言語:英語、現地語など公用語は11種類
  • 宗教:キリスト教(80%)、ヒンズー教、イスラム教など
  • GDP:3,494.2億米ドル(2017年:世銀)
  • その他:元オランダ植民地、1991年アパルトヘイト廃止、1994年マンデラ政権誕生

外務省HPより

つまり、黒人が多数を占め、キリスト教を信仰している、ということ。アパルトヘイト政策が28年前のつい最近まで行われていたことがわかる。

  • 全体失業率:25.5%(黒人:28.3% (最も高い)、白人:8.1% (最も低い)/15-24歳:51.8% (最も高い)、55-64歳:7.8% (最も低い))

他の国と比べても圧倒的な失業率の高さ。

黒人の失業率の高さたるや。。

BTMU Global Business Insightより

つまり、世界的に見て高い失業率、かつ特に黒人の若者にはかなり厳しい状況なことがわかる。

  • 世帯所得:119,542ランド(約904,086円)(黒人:69,632ランド(約526,621円)、白人:387,011ランド(約2,926,435円))

BTMU Global Business Insightより

黒人の世帯所得は白人のそれの約18%にしかならないらしい。

  • ジニ係数:0.63(2011年)

経済産業省HP より

公式発表ではないけれど、ジニ係数の国別ランキングを載せているサイトには南アフリカは国別でワースト2と出ていたものもあった。つまり、世界中の国と比べたとしても南アフリカでは相当格差があるということだと思う。(ジニ係数は1に近づくほど格差があるという指標で、日本は2014年に0.37だった ※平成26年所得再配調査報告書より)

  • HIV感染者数:710万人(人口の13%)※JVC HP より

とここまで調べてみて思うのは、飛行機の中で知り合った国連パイロットのおじさんは白人であったし、娘さんの一人は高校生の時にオランダに交換留学をしていたというし、今秋から双子の娘さん二人はどちらも大学に進学すると言っていたので、相当裕福な人だったのだと再確認した。

これらのデータから28年前に廃止されたアパルトヘイト政策もまだまだ社会に影響を及ぼしていることがわかるし、貧困層が固定化されている印象を受ける。

次のブログでは、HIV陽性でアルコールとドラッグに溺れ、ぼろぼろで狭い貨物コンテナで生活する人、食料が買えず毎日教会で食事をしていた極貧生活から、奨学金を得て大学へ進学し貧困を脱したという人の話を書いていきたいと思う。

私は気になることがあるとついつい現場に足を運んでしまうタイプで、今までもふらふらとしてきたけれど、ここまで驚くことはなかなかなかったし、ここまで現場に行ってよかったと思うことも珍しい。ケープタウンのタウンシップは、ケープタウンを訪れるすべての人におすすめしたい場所である。

街中では高級車が売られている。裕福な白人か外国人が買うのだろう。

ツアーでの出来事はこちらから。

タウンシップツアー 怪しげなガイド(1/5)

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