成功する2ヶ国語習得?―家庭内留学

私は家にほとんどいない。だから家にこだわりがない。フルタイムの仕事をしているのにいまだにシェアハウスに住んでいると言うと不思議がられることもあるけれど、雨風がしのげて安全で、交通に便利であればどこでも良いと今のところ思っている。

私は以前にも書いた通り、中国移民の家族と一軒家で生活している。私は娘である家のオーナーが自力で移民し、両親を呼び寄せたのだと予想している。私が住んでいる家には私が家の契約をしているオーナーは住んでおらず、オーナーの両親とオーナーの小学生の息子が住んでいる。確認したわけではないけれど、息子は学校がある時だけこの祖父母の家に住み、それ以外の日は両親であるオーナーの家で生活をしているようだ。

実はオーナーの両親は全く英語が話せない。父親は30年以上前に日本へ留学していたので、ほんの少しだけ日本語でコミュニケーションが取れるのでたまに簡単な日本語で話をするが、それ以外のことはオーナーからメールで連絡がくる。

普段一緒の家で生活しているオーナーの両親とは基本的にコミュニケーションが取れないので、お互いに干渉もしなければ文句も言わないし、毎日なんとなく過ごしている。

カナダ生まれの小学生の息子は、家で中国語しか話すことが許されていない。当たり前だが祖父母が全く英語がわからないのだから中国語を話すしかない。私は中国語を全く知らないけれど、聞いた感じ中国語の発音も自然なように聞こえるし、普通にコミュニケーションが取れているように見える。今日の朝なんて朝食中に叱られていて、彼は泣きながら中国語で何かを訴えていた。

両親のうち一人が日本人でも日本語を子供にマスターさせるのは難しいと聞く。特に義務教育(カナダは幼稚園から高校が義務教育である)が始まると両親との時間が少なくなり、両親との会話にも日本語と英語が混ざり始め、最終的には英語のみでの会話になってしまうと聞いたことがある。でも小学生の彼は今のところ祖父母と否応なく中国語で会話をし、中国語をマスターしているように見える。

正直なところ、なぜ息子が祖父母の家に住んでいるのかは知らない。もしかしたら言語習得のためかもしれないし、そうではないかもしれない、その他に理由があるのかもしれない。理由はなんにせよ今のところ小学生の息子は英語も中国語も順調にマスターしているように見える。なんとも羨ましい環境だ。でもここまですれば、ここまでしないと2ヶ国語を話せるようにはなれないのだなぁと思うと、大人はもちろんだけど、子供にとっても大変だと思う。

そして大人の私は彼の中国語を耳にしながら、勉強をがんばらなければと思うのだった。

ダウンタウンのライトアップされた家。(私の家ではない)

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です