普段着としてのアグリーセーター

たまに北米の文化について、ん??と思うことがある。その一つがクリスマスに着るUgly Sweater(アグリーセーター)だったりする。このセーターは映画などにも出てくるので知っている人もいるかもしれないが、その名の通りダサいセーターである。

ウィキペディアによると、おばあちゃんから手編みのカラフルなダサいセーターをプレゼントされて困った孫がたくさんいた、ということがネタ元らしい。ネタにされてしまって、せっかく作ってプレゼントしたのに可哀そうなおばあちゃんたち。でもそれをもとにして、セーターを編むという文化が薄れた今、商品として流行らせてしまったのはすごい。

トロントの街にはアグリーセーターやその関連商品がいたるところで売られている。H&Mのディスプレイを見てH&Mだからなと思っていたが、なんとBayでも売っていた。Bayは日本で言うデパートである。しかもセーターだけでなくジャケットやパンツもある。マネキンはアグリーなもので全身コーディネートされていた。

Bloor-YongのHudson’s Bay

写真にも写りこんでいるおじさんは結構真剣に見ていて、もしかしたらこの後お買い上げしたのかもしれない。セーターとジャケット、パンツの他には靴下もある。こちらもばっちりクリスマス柄である。写真は撮り損ねたけれど、アグリーセーター柄の靴下なんかも売っていた。アグリーセーター人気はすごい。

見えないところもアグリーに

とまぁ売ってはいるけれど、実際に着るところといえば数回のクリスマスパーティーくらいだろうと思っていたが、そうでもないらしい。先日レストランで食事を取っていたら隣の席にまさしくアグリーセーターを着た男性が着席した。グループで食事を取っていたけれど、まだ11月だったしクリスマスパーティーという雰囲気でもなかったので、きっと彼にとってアグリーセーターは普段着なのだろう。少し憎らしいのは、彼がとてもイケメンだったということだ。アグリーセーターはアグリーな人ではなくイケメンのためのセーターなのかもしれない。

こんなへんてこなことをするのは欧米だけだと思っていたが、このブログを書くにあたり色いろ調べていたら日本でもH&MやForever21で売っていて、しかも完売しているらしいことを知った。これには驚いた。私がまだ日本にいた時には私が知る限りなかったはずだ。日本人の他カルチャーの吸収力の強さとどん欲さにはいつも驚かされる。原宿の近辺を歩いたらアグリーセーターを着こなしている日本人に会えるのだろうか。でもそれはそれで結構なじんでいるのかもしれない。

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