長時間労働は武器になる?

カナダのメディアが日本企業を取り上げることはあまりない。考えてみると日本のメディアもカナダについて取り上げることはほとんどないので、お互い様なのだと思う。それほどあまり大々的に交流がないのがカナダと日本なのだと思う。

そんな日本とカナダだけど、今年は国交樹立90周年。カナダでは色いろなイベントが開催されている。その中の一つ、JETRO(Japan External Trade Organization)主催のJapan-Canada Innovation Partnership Forumに参加してきた。

気が付いた頃には事前申し込み期限が過ぎていて、メールで問い合わせるも満席と言われ断られたのに、きっと欠席する人がいるだろうと思い、当日押しかけて入場させてもらった。日本にいた時の私では考えられない行動だけど、カナダに来てからかなり図々しくなった気がする。

結果的に参加できてよかったと思う。日本企業がカナダや日本以外での場所でどのような取り組みをしているのかを知ることができたし、日本に進出しているカナダの企業を知ることもできた。

NTT DATAはOpen Innovation Contestというビジネスコンテストをトロントを含む世界15都市で開催している(詳細はこちら)、とかカナダで創業し日本で展開しているiNAGOという会社のスライドに私が在職していた会社のロゴや、お世話になったクライアント企業のロゴが出てきて、勝手に親近感を覚えたりした。私が在職していた時に取引があったかどうかはわからないけれど、日本にいた時にも知らぬ間にカナダ生まれの会社やサービスを使っていた可能性もあるのだな、と思うとなんだか不思議である。

でも一番考えさせられたのは、日本企業のプレゼンの中で全力で睡眠時間を削ってでも仕事しますと宣伝しているように聞こえたことだった(私の思い違いだと信じたいが)。日本人が真面目に睡眠時間を削ってでも対応する、という話は間違いなく本当であるし、私も日本企業に所属していた時にはそのように働いていたけれど、それが海外の企業にとって日本企業をパートナーとすることのメリットになってしまうと、ますます日本企業に勤める人たちは休めなくなり、過酷な労働環境下に置かれてしまうのではないか、と日本人として複雑な気持ちにならざる負えなかった。

平日の昼間なだけあって、黒のスーツに身を包んだ日本人男性が多く参加しており、一部では日本式の挨拶を繰り広げていて、久しぶりに日本の会社員時代を思い出した。何のステータスも持たず、興味本位で気軽に参加した私は、スニーカー・Gジャンにバックパックというとてつもなく浮いた服装をしていて、場違いすぎて恥ずかしかったけれど、日本社会を客観的に考えられる良い機会だったように思う。

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