MacBride Museum of Yukon History、ホワイトホースの数少ない博物館のひとつだ。ホワイトホースの他の博物館は週に2日しか開いていなかったりすることもあるけれど、ここは週に5日開館している。ダウンタウンにあるので、訪れる人が多いのだと思う。
入った直後に少しぎょっとするようなコートの展示があった。
説明書きには、
このコートは約70匹のアヒルとアビという水鳥の羽毛からできていること、水鳥の羽毛でできた衣類は軽量で防水機能を持ちそして温かい、ということが書いてあった。
よく見れば見るほど鳥がそのままの形で洋服にくっついているような気がして、わわわ…と目を背けたくなるけれど、こんなコートが必要なほど過酷な環境の中、人間は生きてきたのだということなのだと思う。それにしても、そのまま羽毛をコートに取り付けるなんて大胆である。
さて、ユーコンにはたくさんの動物がいることは容易に想像できるけれど、こうしてはく製にして目にするとなかなか恐い。ユーコン郊外に行くと日常的に野生の動物たちに出会えるらしい。ユーコン郊外在住の方によると、車を運転していて、ふと横を見たら自分と同じ目線に動物の目があった、ということがあったのだとか。もし…こんなWood Bisonになんて出会ってしまったら、車に乗っていたとしても死ねるような気がする。恐すぎる。
地下には、ユーコンと第二次世界大戦についての展示も。第二次世界大戦時にはカナダのブリティッシュコロンビア州からカナダのユーコン準州を超えてアメリカであるアラスカまで物資と人を供給するためのAlcan Highwayという道をアメリカが作ったのだそう。8ヶ月と12日間で2,451kmもの道路を作るなんて凄いスピードだ。戦争が起こる度に科学技術が進歩すると言われるが、道路整備もまた例外ではないらしい。というか日本で第二次世界大戦を授業で習う時にはカナダについては全く触れられないが、カナダはアメリカ側で、アメリカを支援していたのだと思うと、日本人の私としては複雑である。
でも今まで地名さえも知らなかったユーコンは昔、日本の影響を受けたのだと思うと、世界は狭いなと思う。今でもAlcan Highwayは存在するらしい。いつか車で走ってみたい。