カナダと言えばメープルシロップである。お土産屋さんに行けばメープルシロップはもちろん、メープルキャンディ、メープルチョコ、はたまたメープルティーというものまで売られている。
毎年3月から4月にかけてメープルシロップフェスティバル(シュガーシャック(砂糖小屋)と言うこともある)が様ざまなところで催される。そこではメープルシロップの原料であるサトウカエデの樹液の採取から、それらを煮詰めてメープルシロップになる過程を見学できたり、もちろんメープルシュガーやメープルトフィーのお店、またパンケーキにメープルシロップを付けて食べることができる場所などもある。つまりメープルシロップについて学び、メープルシロップやその関連食品を楽しむことができるイベントである。
今回はトロントから少し遠出をして、GOTrain(長距離電車)で西に47km、OakvilleにあるBronte Creek Provincial Parkまで行ってきた。
ここでは採取するところはもちろん、300年前、200年前、100年前、そして現在までのメープルシロップの生産過程の実演展示があり、メープルシロップについて多くを学ぶことができる。
まずメープルシロップ作りの第一歩はサトウカエデの木に穴をあけ、樹液を採取するところからはじまる。
覗いてみると、そこにはメープルシロップの原液といえる樹液が。これをペロッと舐めてみたけれど、なんとなくほんのりとメープルシロップのような風味がするような気がしなくもないが、ほぼ水だった。全然甘くないのだ。なんでもこれは糖度が3%らしい。この採取した3%の樹液は、水分を飛ばし、糖度が33%になるとメープルシロップとして販売されるという。
煮詰める方法は時代によって変化している。300年前は鍋というものがなかったそうで、この手前にある木製のいれものに液体を入れ、奥にある火で石を熱して、その石を木製の入れ物に入れてメープルシロップの温度を上げて煮詰めていったそうだ。なんとも気の遠くなるような作業である。メープルシロップが出来上がるまでに24時間もかかったらしい。
200年前になると鍋を使い始める。このように3段階にわかれていて、段階によって火加減も異なり、300年前よりメープルシロップを早く作ることができるようになった。所要時間は12時間で300年前の半分に。
100年前になると、現代的なトレイに樹液を入れて作るようになる。平べったい形をしているので、早く蒸発するのだと思う。そして火の周りに囲いができたので、より安全になった。この時には作るのに6時間、200年前の半分になる。
そして現在はこのような機械で生産されているらしい。所要時間は6時間。100年前と時間に差はない。カナダのスーパーにはメープルシロップは必ず置いてあるし、それほどメープルシロップの価値について考えたことはなかったけれど、煮詰めるのに6時間か、と思うとメープルシロップの見る目が少し変わってくる。この機械は一見とても近代的だが、実は薪で火を起こしているので、薪をくべなければならず、人の助けを必要とする。
この見学が終わるころにはメープルシロップが大好きになってしまっていて、普段なら絶対に食べないであろうメープルシュガー、メープルトフィー、メープルシロップのかかったパンケーキ、と売っているものすべてを食べた。
一番驚いたのはメープルシュガーだった。これは砂糖なのでそのまま食べるなんて考えもしなかったけれど、風味豊かでとても美味しかった。1個を50¢で買ったけれど5個入りセットを買わなくてよかったと思う。美味しいのでずっと食べていられそうだったからだ。
フェスティバル会場の周りを見渡せば、1回5CADの子ども用の乗馬体験や、子ども用の遊び場や昔ののこぎり体験などもあり、大人も子供も楽しむことができるようになっていた。そんなところがカナダらしくて素敵だなと思いつつ、とても良い時間を過ごすことができた。
こんな素敵なイベントなのにコロナウイルスの影響でこのイベントは現在中止となっている。とても残念だ。でもとてもお勧めのイベントなので、来年2021年以降で機会がある方はぜひ。この他にもトロント近郊でも開催されているので、来年以降そちらに参加するのも楽しいかもしれません。
Bronte Parkに行ったのですすね!
我が家はずっとオークビルに住んでいて子ども達が小さ時は時々行っていたので懐かしいです。作っているところを見るとメープルシロップ大好きになりますよね私はほとんど毎日少しずつ何かに入れてます
オークビルには初めて行きましたが自然が多くて良いなと思いました。隠し味にメープルシロップっていいですね!今度使い方教えてください^^