日本通と日本語学習者

午後の紅茶ミルクティーを飲みながら無印良品のペンを持ち、無印良品のノートにメモを取る。なんだか日本でありそうな光景だけど、それはトロントで起きていた。

昨日からトロント大学日本語クラスの冬タームが始まった。今まで私はレベル1のTAを2タームしていたが、今タームはレベル4のTAをすることになった。レベル1はひらがなの書き方から始まるのでかなりの初心者向けクラスだったのに対し、今回はそれなりに勉強してきた受講生たちなので違った面白さがある。

レベル1の受講生は日本語初心者であり日本文化初心者でもあった。日本文化に興味があるので試しに受講してみる、みたいな人も多いし、受講後には勉強するのをやめてしまう人も多いと思う。それに対してレベル4は日本語の知識もさるころながら日本文化への関心も高く、日本大好きオーラが漂っている。

少し歩いたところにある韓国系スーパーに午後の紅茶が売っていることは知っていたが、実際に飲んでいる人を初めて見た。輸入品なので確か普通の飲み物より値段が高かったはず。午後の紅茶を飲みながら無印良品を使う彼女は、何も話さなくても彼女が日本好きなことが伝わってきた。実際に彼女はがんばりやさんのようで、まだ習っていない漢字を使ってノートを取るなど日本語習得への意欲が感じられた。

それにして受講生の高いMUJI率(無印良品は海外でMUJIと言う)驚く。MUJIは最近トロントに旗艦店もできがんばってはいるが、まだまだ一般認知度はそれほど高くはない。でもこのクラスにいるとMUJIはトロントのほぼすべての人が知っているのではないかと錯覚する。

MUJIのペンの品質が良いことは言わずもがなだが、日本のファンを増やすことは日本企業の海外進出に大きく役立っているのだと思う。

さて、授業はというと、私は今ほんの少しだけ不安を感じている。授業で漢字を扱うからだ。日本を出国して4年ほど。私はめったに紙にメモを取らないし、もし取る場合でもできる限り英語でとるようにしている。つまり、私は漢字をよく思い出せないのだ。これは困った。このブログをタイプする時には選択肢が表示されるが、ホワイトボードに書く時にはそうはいかない。そしてTAが漢字を間違えるなんてことは避けたい。

今まで30年以上も使ってきた日本語なのに、こんなに簡単な漢字も自信を持って書けないのかと思うと恐ろしく、自分自身に少しがっかりである。

使っていないとこんなに忘れてしまうものなのだということを心に刻みつつ、英語の単語もまた繰り返し使うことが大事だ、と自分に言い聞かせる。

BayにあるIndigoという本屋には草間彌生がいる。トロントでは有名な日本人の一人。

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