紙ヤスリのような肌ートロントで肌トラブル

ある日、朝起きたら顔が赤く腫れあがっていた。もうこれには本当にびっくりしたし、どうしたら良いのかわからず途方にくれた。どうやら顔の皮膚が極度に乾燥しているようで、皮が剥け赤くなった皮膚は、干ばつした地面のようだった。おまけにとんでもなく痒い。口周りが特にひどいので話すこともためらわれる。そんな状態でもこの日は予定があったので、仕方なく保湿のためにハンドクリームを顔に塗りたくって外出をする。もう化粧どころではない。

予定も詰まっているし、そのうち治るのではないかと淡い期待を抱きつつ2日待ってみたけれど、どうも収まる気配がなかったので、仕方なくクリニックに行くことにした。うちの近所に長いこと住んでいる日本人のお姉さんがお勧めしてくれたウォークインクリニック。

なんとなくマレーシアのクリニックを思い出す佇まい。

入口に何もサインがないのですぐに入口を見つけることができなかった。249を入って右側が薬局、左側がクリニック。

日本では皮膚のトラブルがある場合は皮膚科に行くが、ここトロントでは健康に問題がある人全員が同じクリニックに行く。つまり、風邪を引いた人も皮膚のトラブルを抱えた人も同じクリニックに行くのである。風邪でクリニックに来ている人もいたようだったので、うつらないかそわそわしながら順番を待つこと40分、診察室に呼ばれた。その後、診察室で待つこと10分、やっとドクターがやってきた。

クリニック内には診察室が4つあり、ドクターも複数いる様子。ドクターを待つ。

ドクターはギリシャ系の気さくなジョーク好きのおじさまだった。私の顔を見ながら、「紙ヤスリみたいな肌になっちゃってるね!ははは!」とデリカシーの欠片もない言葉を言い放ち一通り笑った後(悪気なく笑うので私もついつられて笑ってしまう)、この症状は外の乾燥した寒い空気と、室内の乾燥した暖かい空気が原因だろうということ、トロントではよくある症状であることを教えてくれ、処方箋を作ってくれた。クリームは多めに処方するけど、症状が治まったら塗るのを止めること、踵や手など乾燥した場所があればそこに塗ってクリームを活用するように言われた。

処方箋は診察室のパソコンで作成され、その場で印刷してくれる。

診察は、診察時間より、ドクターのジョークや世間話を聞いている時間の方が長かったような気がする。なんだかとてもカナダらしい。ドクターとの世間話も悪くはないが、ドクターがこんなに関係のない話をしなかったら私は50分も待つことはなかったのでは?と思うと複雑である。

診察後には隣の薬局でクリームを購入。

クリームはなんと22.19CAD(約1814円)だった。OHIPという州の健康保険プログラムに入っているので診察は無料だが、薬代は自己負担なので結構高い(会社員は会社との折半で追加の私保険に加入することもできるが、私は現在会社員ではないし私保険に加入していないので全額自己負担である)。こんな時、日本の国民皆保険制度は素晴らしいな、と思う。

絶対使い切らないだろうと思われる量のクリーム。Rexall は薬局の名前。日本で言うマツキヨみたいな。

このクリームを塗った瞬間から痒みが消え、肌は回復に向かった。とは言ってもまだガサガサ肌で赤みはあるので引き続き注意は必要である。

即効性があったので、ドクターに言われた通りただ乾燥しているだけの部分に塗っても良いものか心配になった。カナダ在住の薬に詳しい日本人のお姉さまに相談をしたら、ステロイドが入っているので、炎症の起きていないただ乾燥しているだけの箇所には塗らない方が良いとアドバイスをもらった。頼るべきはちゃんとした日本人である。

最終的に症状は緩和され、回復傾向にあるのでそれはよかったのだが、やはりここはカナダだなぁと今回もまた思うのだった。クリニックにお世話にならないよう、健康を心掛けたいところである。でもこうしてブログのネタになるので、そんなに悪いことでもないかも、なんて考えてしまったりして。

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