トロントのクリーニング事情

気持ちの良い朝だった。空気はひんやりしていて雪がぱらぱら降っていたけれど、ほんのり温かい。気持ちが良いので近くのバス停ではなく、溶け始めた雪をしゃりしゃり踏みながら少し離れた地下鉄駅まで歩いた。

一昨日は酷く寒かった。気温はマイナス14度で体感気温はマイナス20度、夜にはこの冬初めてのextreme cold weather alertが発令されたほどだ。11月の気温にしてはかなり寒い。私がカナダに来てから、毎年のように「今年の冬はおかしい」と言われ、暖冬だったりとても寒い冬だったりと色いろだけれど、今年もまた「何かおかしい冬」になっているようだ。このことを考える時に、私はいつも人間が地球を破壊し続けているのだ、と思う。

先ほどスマホのアプリを見て知ったのだが、今朝私が家を出た時の気温はマイナス1度だったらしい。日本に住んでいた時には考えられない気温だけれど、慣れれば慣れるものである。この程度の気温であれば絶望的に寒い、なんてことはもうないし、薄いダウンジャケットで十分である。トロント1年目の冬、人生で初めてのマイナスの気温に驚き恐がっていた時の自分が懐かしい。

冬の寒さには慣れてきた私だけれど、最近驚いたことがある。冬用ジャケットのクリーニング事情である。私はカナダに来て2着の真冬用ジャケットを購入した。これらは日本では必要のないレベルで防寒に優れており、それなりに値段が張るものである。

今まで私は日本に一時帰国する際にジャケットを持って帰りクリーニングに出していたのだが、前回の帰国が夏だったこともあり、今年はクリーニングを済ませていなかった。カナダのクリーニング店の口コミをネットで調べるとなかなか高価なジャケットを出すのは勇気がいるので、周りの人たちにどこのクリーニング店が良いのか聞いてまわった。のだが、こんなに何人もの人に聞いても誰一人としてクリーニングに出していなかったのである。コートは毎年必ずクリーニングに出し、綺麗にしておくものだと思っていた私は衝撃を受けた。しかもカナダ生まれのカナダ人だけでなく、日本生まれの日本人であってもそうなのである。

久しぶりのカルチャーショックだ。あまりに周囲が気にしていない様子なので、私が神経質すぎるのかと不安になるほどである。

このカナダのカルチャーに染まるべきか否か。でも違和感は拭えないので、引き続き優良クリーニング店のリサーチに励みたいと思う。

今シーズンはじめての本格的な雪である。

12月2日追記:続・トロントのクリーニング事情を更新しました。トロントのクリーニング店の様子を紹介しています:)

Pocket

トロントのクリーニング事情” への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です