長距離移動をする時は、時間が許せばレイオーバーでどこかへ途中に立ち寄ることにしている。そうすると移動中にも楽しめるからだ。今回の日本への一時帰国では、中国の上海に立ち寄った。中国本土は深センにしか行ったことがなかったので、とても楽しみにしていた。
トロントから行ったせいもあるのだろうが、上海は人で溢れていて、目が回りそうだった。
そして驚くべきはその多くの人を監視するいたるところに設置された監視カメラだ。特に悪いことはしていないので気にする必要もないのだが、本当にたくさんどこにでもあるので、なんだか気味が悪い。この記事によるとAIの顔認証で特定の人を見つけ出すのを7分程度でできるという。
そんな監視社会の中、地下鉄駅では必ず荷物検査(かばんは赤外線検査、身体は金属探知検査)を受けなければならず、なかなかの警戒ぶりであった。一度なぜか荷物検査で引っかかり検査員に中国語で何か言われたが、私は中国語を理解できないし、検査員は英語できないしでコミュニケーションが取れなかった。そうしたら、もういいから行って良い、と諦めてくれた。人のやることは結構適当なのかもしれない。
国慶節前だからか、いたるところに中国国旗が掲げられていた。日本では国旗をあまり見かけないので少し変な感じがしたが、なんだか中国政府の力を見せつけられた気になった。
飲食店は朝早くから夜遅くまでやっていて、活気がある。朝遅く夜早いカナダとは真逆だ。なんだか大きなパワーを感じる。朝食は宿近くの屋台(朝6時オープン)で中国式パンケーキを。このおじちゃんがちゃちゃっと作ってくれた。意外とお腹いっぱいになるこちらは、確か6元か7元だったと思うので、100円くらい。アジアは屋台めぐりが楽しい。クアラルンプールで生活していた時のことを思い出して懐かしい気持ちになった。
基本的に中国は安全そうなので日本人だとばれても問題はないと思うが、何気なく入った無料の博物館がなんと日中戦争中に日本に2度逮捕されたジャーナリストの家の博物館だと入った後に知って驚いた。入口にはKe Lingの家と書いてあったのでどこかの資産家の家だと思い込んで入場してしまったのだ。
もちろん日中戦争のことは学校で習ったけれど、実際にかつての敵国の地で日本軍のしたことを批判している博物館の展示を見るのは、なんだか変な緊張感があった。
上海は広く、すべてを周るにはレイオーバーではやはり不十分だった。ぜひ次回はもっとゆっくり滞在して上海を楽しもうと思う。