高島平と高齢化、そして地域プロジェクト

今の実家のある場所へ引っ越しをする前、幼稚園の時には板橋区の高島平団地の中にある社宅に住んでいた。幼稚園を卒園して26年、住宅地で何もない地区なので特に訪れることはなかったが、今回戸籍謄本を集めるという用事が板橋区でできたので、少し懐かしの場所を歩いてみることにした。

実は高島平については少し前から気になっていた。団地住民の高齢化が急速に進んでいることが問題視されていて、近くの大東文化大学環境創造学部と一緒にみらいネット高島平というプロジェクトを始めたと聞いていたからだ。私が住んでいた時には小学校も多く、子どもがたくさんいた地域だったが、今では住んでいる住民の年齢層がかなり高いらしい。

大学のHPから推測すると、大学が地域と関わり始めたのは2007年ごろからのようだ。意外と関わり始めてから年月が経っている。

現在はコミュニティカフェ・グリーンを運営しているようで、スケジュールをみると、週に4回なんらかの講座やイベントを行っていることがわかる。私が高島平に訪問した時には立ち寄ることができなかったのが残念だが、講座の内容は、英会話、韓国語、スペイン語、日本語、イタリア文化、書道教室など、継続して通うものが大半なので、すでに講座は定着していそうである。日本語という講座があるのは、高島平団地には現在外国籍の人が住んでいるからのようだ。地域の事情に合わせた講座が開講されていて好感が持てる。

訪れたのが平日の昼間のせいもあるのだろう、散歩している中でたくさんの高齢者を見かけた。私が毎週通っていた大好きだった図書館には子どもの姿はほとんどなく、高齢者で埋め尽くされていた。入口付近の棚には大活字本(普通の本より大きな文字で印刷されている)がたくさん並べられていた。私はよく色いろな地域の図書館に行くが、あまり大活字本がメインの入口付近に並べられていることはない。高島平の高齢化を如実に物語っていた。

26年前と何も変わらない外観

この解放感のあるエントランスが好き

それでも当時通っていた幼稚園に行けば、私が通園していた時と同じ建物で幼稚園児が遊んでおり、なんだか少し安心した。

団地はあまり変わっておらず、母と買い物に行った商店街や八百屋はそのままで(魚屋はなくなっていた)、懐かしいような、でも変わっていないことに少し心配しながら高島平の地を後にした。

昔にタイムスリップしたかのような光景が拡がる

団地の一階部分にある懐かしの八百屋

地域の高齢化問題は地方だけの問題ではなく東京都内でも起こっていることで、それをこれからどのようにマネジメントしていくのかが問われているような気がする。地方に比べると都内ではコミュニティの繋がりが弱いことが予想されるので、実はこのような都内の場所の方が問題は深刻化しそうだと想像する。

懐かしの地域を歩き昔を思い出し、そして未来を少し心配に思った訪問だった。

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