投票に行くのは偉いこと?

日本は参議院議員選挙戦の真っ最中だと思うが、私の住むトロントでの投票は明日13日で締め切られる。国外で投票をするには、事前に在外選挙人証を取得の上、当日はそれとパスポートを持参し、トロントであれば領事館で投票をする。投票用紙は私が記入したものが、日本の私の本籍のある選挙管理委員会に送られ、そこで集計されるという仕組みだ。この時代に、実際に私が記入した投票用紙が東京の選挙管理委員会に送られるのは少し驚きだが、今でもこうしてアナログな方法で投票は行われているのである。

私は平日の月曜日16時くらいに投票へ行ったが、私が投票所にいた15分くらいの間に投票に来ていたのは2人だけだった。これはなかなか少ないと思う。投票者の何倍もの係員がいたので、何人くらい投票にくるのですか、と聞いてみた。その方が言うには、最近はそんなに投票する人はいないのですよ、というので、以前との比較を聞いてみた。すると、以前は200人くらいいたのに、最近では110人くらいだと言う。もちろん衆参両日選挙であれば投票者も増える傾向にあるというし、選挙の注目度にもよるらしい。でもトロントの日本人の人口に対して110人、多い時で200人しか来ないというのはなんとも少なすぎる結果だと思う。だって2017年のトロント在留邦人は13,725人もいるのだ(海外在留邦人数調査統計)。

なぜみなさん選挙に来ないのですかねぇ、と私が思わず言うと、周りに働きかけてください!と逆に頼まれてしまった。

でも私は周りへの働きかけはしている方だと思っている。

今回の選挙では領事館から投票のお知らせメールが届いた時に仕事中だったので、カナダ歴20年以上の日本人に声をかけてみたが、今まで一度もカナダで投票に行ったことがなく在外選挙人証も持っていないので、今回も行かないと宣言されてしまった。逆に、若いのに政治に興味があるなんて偉いわねぇ、という至極当然のことを偉いという意味不明な一言で片づけられてしまい、もやもやが残った。

海外に住んでいても日本人であることに変わりはなく、また国外に住んでいることで違う視点で日本の政治を見ることができるという点から、私は国外在住者は積極的に投票に行くべきだと思っている。が、海外在住者は通常、国内のことなどどうでもよくなってしまうらしかった。

なんだか寂しいけれど、それが現実なのかもしれない。

でも海外在住でも投票できる制度があるのに、それを利用しないなんてもったいない。

政治を自分ごととして考えるようになるには何が必要なのだろうか、とすでに関心ごとの一つである私にはよくわからない答えを悶々と考えてしまったのだった。

国内在住の方、ぜひネットでリサーチの上、投票へ。

在外選挙人証には投票する度にスタンプが押される。

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