タウンシップの住人の中にはビールを自分で作ってしまう人もいるようで、そのビールがおいてある部屋に入れてもらった。この時は誰も飲んでいなくて談笑していた。さすがに飲むのは控えたけれど、自家製ビールは確実にビールの匂いがした。
男性が中でのんびりしている外で、女性はごはん作り。振替休日なので、みんなで食事をするのだろうか。大きなドラム缶でお粥を作っていた。豪快である。
ランガの中には普通のコンビニのようなショップもあった。相変わらずな佇まいのお店だけれど、中では割としっかりしたものが売られていた。
そんなショップの通りの向かい側には大きく素敵な家々が佇んでいた。その中にあるパン屋さんで焼き立てパンを食べようとガイドに誘われたが、あまり乗り気になれなかった。お腹を壊す心配があるし、お腹を壊したとしてもちゃんとしたトイレに入れる保証がほぼなかったからである。
ガイドはそんな私の気持ちを知ってか知らずか、なぜか鍵の掛かっていない玄関からさも当然のように勝手に家の中に入って行った。そこには高そうな調度品や薄型テレビがあった。そして何よりとても広い。日本の一般的な家とは比べ物にならないくらい広かった。
このパン屋さんは事業に成功しており、ここで売っているだけでなく、何かイベントがあればパンを提供するなど、政府との繋がりもあるのだ、というようなことを言っていた。具は何がいい?と聞かれて迷ったので、半分にして2種類選ばせてもらうことにした。ガイドお勧めのチキンサラダと卵サラダにチェダーチーズを乗せたものを頼む。パンは焼きたてでふわふわ。とても美味しいランチになった。
通常のお客はここのカウンターから注文をするので家の中には入れない。ガイドが言うにはガイドとこのパン屋は同じ経済レベルだからこうして友達になり家にも入ることができるのだと言った。ランガに住む他の階層の人では家の中に入ることはもちろん許されないのだ、と。
そこからすぐ斜め前くらいところには政府が建設し無料で住めるのだという家が立ち並ぶエリアがあった。大通りに面している家は綺麗なのだが、一本中へ入るとそこには年季の入った家が現れる。全部新しくリノベーションをする予定だったらしいが、途中で政府が中断してしまったらしい。
歩きながら中を覗くと、リビングで髪を洗っている女性を見つけた。確かに今まで見てきた家にシャワーや蛇口は一つもなかったことを思い出した(パン屋にだけはあった)。
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