残業のない世界

8時間会社で働くとそれなりにくたくたになる。せめてもの救いはほとんど残業がないことだ。土曜日午前中のトロント日本語学校のTA(ティーチングアシスタント)のボランティアは仕事の関係で続けることができなくなってしまって残念だけれど、トロント大学の日本語クラスのTAは続けることができている。毎週月曜日の夜は、仕事を出来るだけ早く終わらせてダウンタウンに急ぐ。ミシサガ市からトロントのダウンタウンに行くのには少し時間がかかるし、TAは2時間立ちっぱなしなので結構辛いのではないかと思っていたのだけど、やってみるとこのTAがとても良いサイクルを生み出してくれているように思う。

日本で会社員をしていた時には寝る以外のすべての時間を仕事のために使っていたし、仕事のことを考えていた。夢の中でもよく仕事をしていたので24時間と言っても良いかもしれない。だから一度仕事でストレスを感じると、そのストレスが24時間続く状態だった。でも今は仕事とは全く関係のないTAを仕事の後にするので、仕事のストレスから無意識のうちに解放されて、かなり精神的に健康になれているように思う。(そもそも残業なしの8時間労働では残業が日常だったころに比べて身体がラクだし、それほど大きなストレスを感じることもないけれど。)

昨日、美容院で日本人の美容師さんと話をしていて、美容師さんが「日本で会社員をしていた人がカナダで働くと、仕事が終わってからの時間に何をしたら良いのかわからず戸惑う人が多いらしい」という話をしていたのが興味深かった。私はやりたいことで溢れているので、全くもって時間を弄ぶことはないけれど、本当に長い間仕事一筋だった人などはそうなってしまうことも理解できる。

長期に渡って日本で会社員生活をしていると、それが習慣になって自分で何がやりたいのかもわからなくなって、最終的には定年後に何をしたら良いかわからない、みたいな生活になるのだろうと思った。

私はカナダで生活してみて、日本で生活することの良さを再確認したし、日本とカナダにはそれぞれ良いところがあるので優劣はないと基本的には思っているけれど、会社員の労働環境に関してだけは、カナダの方が断然良いと思っている。

日本にいた時に、「私は働くために生きているのだろうか」と生きる意味を見いだせなくなった時期があったけれど(それでも仕事自体はとても楽しかった)、今は楽しい人生の一部に働くということが入っているのだ、と思うことができている。

日本で私がお世話になった会社も残業抑制(「禁止」ではなく「抑制(残業がある前提)」なのが少し残念だけど)が浸透し始めていると聞くので、会社員をしていたとしても、健康的で平日に趣味やスキルアップに繋がることができるような労働環境になれば良いな、とカナダから強く願っている。

このブログも残業があったら書けていないだろうな、と仕事帰りにのんびりスタバで書きながら思うのであった。

仕事帰りにブログを書くときは大体このスタバで。お供はトールサイズのデカフェモカのホイップ半分のせ。

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