カナダへの移民の歴史を活用した地域起こし―和歌山県三尾①

和歌山県日高郡美浜町三尾地区は、1888年(明治21年)からカナダのバンクーバー郊外の漁村スティーブストンへ移民を送ってきた地域だ。スティーブストンには2,000人ほどの三尾地区出身者が住んでいたというのだから驚く。現在の三尾地区は人口600人台で人口減少と高齢化に悩まされているが、日系移民の歴史を活用して地域起こしをしているらしい。

東京で会社員をしている時に石川県七尾市の地域起こしに関わっていたこともある私だけど、まさかカナダで日本の地域起こしについての話を聞くことができるなんて思ってもみなかった。日本の地域ががんばっていることを知ることができて嬉しかったし、それがカナダと関係していることが嬉しさを増大させた。

このプロジェクトは、地域起こしの担当者がもともと三尾地区で日系移民の研究をしていた京都外国語大学の河上幸子教授に声を掛けたところからはじまる。河上ゼミの学生と共に地域起こしをしていく中で、三尾地区出身者の子孫でトロントに住んでいるHamadeさん家族を知り、日系5世のHamadeさんにFacebookでメッセージを送り、三尾地区へ招待したのだった。

2017年に実際に日系5世のHamadeさんと日系4世のお父さんが三尾地区を訪れた時の交流の様子を、今回は動画で紹介してくれた。いきなりFcebookでメッセージを送った京都外国語大学の学生もすごいけれど、その誘いを引き受けたHamadeさんも素敵だ。

この訪問で、Hamadeさんは色いろな歴史資料や行政資料などから今まで知らなかった祖先のことを知ることができ(祖先がいつ亡くなったのか、お墓がどこにあるのかも知らなかったらしい)、三尾地区側も日本での調査だけでは知り得ないことがわかったのだという。

動画は短く動画からはそれほど多くのことを知ることは出来なかったけれど、双方にとってとても意味のあることだったことが窺い知ることができた。

質疑応答をする三尾地区から来られた方と訪問したHamadeさん親子

書きたいことがありすぎるので、具体的な地域起こしのことについては明日更新予定の次の記事に続く。

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