新聞は面白い

最近、カナダの新聞を読むのが楽しみの一つになっている。

でも「新聞を買って読んでいる」と言うと、ほぼ間違いなく「ネットならタダなのに、なぜお金を出してまで新聞を買うのか」と怪訝な顔をされる。その言葉を聞く度に新聞の素晴らしさが理解されていないことに悲しくなるので、新聞の良さについてお伝えしたいと思う。

大きな枠組みでニュースを得る手段は、テレビ・新聞・ネットがあるが、私はテレビが極端に苦手だ。ニュース番組を見ていても、次に何のニュースがどのくらいの時間流れるのかがわからないからである。だから私はテレビを一度付けるとなかなか消すことができない。次にとても興味のあるニュースをやるかもしれないと思ってしまうのだ。だから私はもう何年も自分でテレビのスイッチを入れたことはない。

そんなテレビの対極にあるのがネットだと思う。ネットでは自分の知りたい、読みたいコンテンツだけを選択して読むことができる。ニュースサイトには、関連ニュースが表示されることもあるので、興味のあることについてどんどん掘り下げて調べることができるのが魅力である。でも、興味のないコンテンツをクリックすることはない。

では新聞はどうだろうか。私はテレビとネットの中間くらいに位置しているものではないかと思う。新聞は広げれば何について書かれているのかが一目でわかる。興味のない見出しもあるけれど、興味のないニュースが取り上げられている、ということがわかるし、気軽に見出しを読んだり、軽く流し読みすることもできる。つまり、どのようなコンテンツがあるのかすべて確認し、場合によっては試し読みをした上で読むか読まないのかを決定できるのである。新聞社が世の中に発信したいと思った情報を逃すことなく把握できるので、無駄がないし、自分の興味の幅を拡げるのを助けてくれる。

加えて、新聞はネットとは違い、読者が明確だ。カナダのトロントで発行されている新聞はトロントに住んでいる人を読者として構成されているので、それを読めば、トロントに住む人がどのような情報を得たいと考えているのかもわかる。つまり、トロントに住む人の興味を知るのに、新聞はとても役に立つ。市民感覚のようなものを知ることができる。それはトロントに住んでいる人と交流する時に必ず役に立つものだと思う。

だから、紙の新聞は素晴らしいし面白い。私はネットがどんなに普及しようとも、アナログの紙の新聞を読み続けるだろう。

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