自分で言うのもなんだが、オンタリオ州の全カレッジ教員による賃金・雇用形態に対するストライキに起因する、私の一時帰国はとても良い決断だったと思う。タイムラインはこんな感じ。
ストライキ開始宣言:10月15日
ストライキ開始:10月16日
カナダ出国:10月24日
カナダ入国:11月10日
ストライキ終了宣言:11月19日
通常授業開始:11月21日
5週と1日のストライキの中で17日間カナダを離れることができた。ストライキが開始されてからの学校からのアナウンスは、
・ストライキの終了は学生に2~3日前に告知される
・ストライキ終了後一週間はテストと課題提出はなし
ということだけだった。
つまり、ストライキはいつまで続くのかわからず、しかも突然再開されるのだ。だから多くの学生にとってかなりのストレスだった。しかもストライキが開始された週は多くのクラスでテストが行われる予定だったので、学生をさらにイラつかせた。
ストライキ開始から5日目、
・硬直状態で労使交渉が未だに始まっていない
・過去の大学教員によるストライキでは一番短くて1ヶ月半だった
・ストライキの影響で年末休みが短くなる可能性がある(年末に一時帰国しようと思っていたのに)
ということを知って、帰国を決めたのだった。
私の授業スケジュールを考えると最大で2回ずつ授業を休む可能性があったが、その可能性は極めて低く、もし仮に休むことになったとしても1回ずつだろう、というのが私の見立てだった。それに教員都合でのストライキなのだから、万が一何かが起こっても一時帰国したからという理由を話せば柔軟に対応してくれる気がした。だから一時帰国にはなんの迷いもなかった。
がしかし、このことを友人に言うと「いつ終わるか分らないのに帰国するなんて信じられない」というような反応をされた。そんな反応をされる度に少し不安になったが、一応私なりの根拠があったので、気にするのをやめ、帰国した。
東京滞在中のカナダへの帰国が迫っていたある日、つまりストライキが始まって3週間が経とうとしていたあたりに、2人の友人から別々に、私も一時帰国しようと思うが、どう思うか、と連絡を受けた。私もいつストライキが終わるか分らないのに、である。なぜ私に聞くのかと困惑しながら、私の意見で彼女たちが不利益を被ることがあってはならないと、私はもうすぐ戻る、という事実だけを伝えた。
学校が始まってからもストライキ中に帰国したというと、なぜストライキが長く続くことがわかったんだ、などと言われ驚かれるが、それは決断に必要な十分な情報を持っていたこと(情報通の友人たちには感謝しかない)、飛行機移動に何の抵抗も持っていなかったことがポイントだったのだと思う。荷造りは長くても1時間、航空券購入から24時間以内での移動は私にはよくあることである。
何かを決める時に、「どうしようどうしよう」と悩む人がいるけれど、「どうしようどうしよう」と思う前に、なぜどうしようと思っているのかを考えて、そのどうしようを解消するためには何が必要なのかを考えてみたらいいと思う。そうすると決断がしやすくなる、というか決断で迷うことがなくなる。
…学校が再開されたはいいが、いまいちモチベーションは戻ってこない。テストに向けて勉強しなければ。教科書読むのが少し億劫である。