「権利」としての選挙権ープロセス編

トロント時間10月11日、トロント領事館に衆議院議員選挙の投票に行ってきた。実際に投票が完了するまで、想像以上に長い道のりだった。その過程ついて紹介したいと思う。

 

私が事前にした処理は、

1.日本で転出届を出す

2.トロントに到着後すぐにトロント領事館に在留届を出しに行く。その時に在外選挙人名簿への登録申請をしようとするも、申請は海外に継続して3ヶ月以上していないとできないと言われ断られる。

3.トロント到着から3カ月後にトロント領事館で登録申請をする

4.申請から1ヶ月半後くらいに登録完了の連絡を受け、在外選挙人証をトロント領事館に取りに行く(郵送も可だけど、私はカナダの郵送システムを信用していないので、直接受け取りを選択)

5.9月28日、あらかじめ登録していたトロント領事館のメルマガから選挙のお知らせが届く

6.領事館へ行って投票(今回は10月11~14日)

7.トロントでの投票受付の連絡がメルマガで届く(10月14日)

 

ここでの問題は、在留届を出した時に在外選挙人名簿への登録申請ができないことだと思う。そして在留届を出す時に領事館の人は、おそらく在外選挙人名簿への登録申請についての案内をしていない(私の周りには在外選挙人名簿への登録申請について知らない人がとてもたくさんいる)。

正直、トロントの外れに住んでいる私はダウンタウンの領事館に平日の昼間に何度も行けるほど暇ではない(投票したかったので意地で3回行ったけど。。)。投票への強い意志がないと在外選挙人名簿への登録申請をしようという気になれないと思う。

 

そんな処理を経てやっと選挙ができるようになったので、よし、と気合を入れて、投票するべくトロントの領事館へ行く(これも平日の昼間)。何が起こるかわからないので、念のため初日に行く。

1.在外選挙人証とパスポートを見せて入室

2.トロントで投票します、みたいな宣誓書に署名して、本籍地のある選挙委員会へ私の投票用紙を送るための封筒に宛名を書く。

3.どの投票用紙がほしいのかについての書類を書く(比例代表選挙と小選挙区選挙の両方にチェックをしたり、名前を書いたりする)

4.チェックした投票用紙2枚(比例代表と小選挙区)と封筒4通をもらう。

5.念のためエリア別の候補者が書いてあるファイルを借りて、日本にもあるようなアルミのつい立ての中で投票用紙と封筒に必要事項を記入する

6.記入したら、内袋に投票用紙を入れテープでふたをして、内袋を外袋(名前入り)に入れてさらにテープでふたをする

7.係の人に手渡しする

8.おつかれさまでした!

とてもとてもアナログだった。すべて紙で処理されるらしい。私の紙の投票用紙を封筒で日本に送るとは…なんとも信じられない事実。だから14日までしか投票ができないのだ。でもアナログなのはこれに限ったことではない。在外選挙人名簿への登録申請に1ヶ月半(総務省のサイトでは3ヶ月と案内されている)もかかるのは、日本に申請用紙を郵送して、その返事がまたトロントへ郵送で戻ってくるからだと聞いた。プロセスの多さにめまいがする。

 

投票率だが、外務省のサイトには、

  1.  第46回衆議院議員総選挙の実施に伴い,今回で9回目となる在外投票が実施されました。

  2.  総務省によれば,在外投票の投票者数は21,565人でした。また,12月16日現在の選挙管理委員会における在外選挙人名簿の登録者数は105,836人で,投票率は20.38%でした。

と書いてあって、なんだ結構投票率高いな、と思ったけれど、これは「投票者数÷在外選挙人名簿の登録者数」なので、登録していない人はカウントされていなかった。私の周りで登録している人は聞いたことがないので、かなりの人が登録していないと思う。ということは、実際の投票率はかなり低いはずだ。でも、このシステムだったら納得である。ちなみに、私はトロントでの投票日初日の15時(投票開始は9時半)に受付をしたら、16番目のようだった(書類に通し番号のようなものが書いてあったのだ)。トロントの日本人人口って何人だっけと一瞬考えたけど悲しくなるので考えるのをやめた。

なんだか書いていて悲しくなってきたので、続きは次回へ…。

 

いくらダウンタウンの高層ビルの33階だからと言って、この警備員さんはリラックスしすぎだと思う。

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