トロントの日本語学校

日本国外に出ると日本のことに興味が出始める。それは今まで当たり前だったことの比較対象が突然目の前に現れるからだ。私にとって日本語は当たり前のように話せる第一言語。今まで日本語の文法なんてほとんど考えたこともなかったけれど、カナダで英語を学ぶにつれて言語学習の方法や日本語についての興味が沸いてきた、と同時に日本語を教えるというスキルは世界の一部の人の中では結構重宝されるのだ、ということもわかってきた。

これからトロント日本語学校でティーチングアシスタントとして週に一度半日のボランティアをはじめる。先日オリエンテーションに参加し、担当クラスを決めた。私のクラスはGrade8(13歳くらい) までの子どもが通う中級レベルのクラスで、英語で日本語を教える。やることといえば授業中や授業前後の先生のアシスタントと雑用である。どの程度のアシストを求められるのかはまだわからないが、なんでもこの年齢の子どもは反抗期で扱いが大変だ、と聞いているので、色々な意味で楽しみである。きっと今まで触れてきたのとは違う方向からカナダの文化を知ることができるはずだ。

この仕事はボランティアなので無給。最低3ヶ月の勤務を約束すれば参加することは難しくないと思う。トロントはボランティアが盛んだ。日本で言うボランティアは「社会に奉仕する」というような意味で使われることが多いと思うが、トロントでは「スキルを身に付ける」とか「将来の仕事に繋げるため」にやることも多い。だからカナダでは履歴書にボランティアの経験を書くこともできる。この日本語学校もまた3ヶ月以上働くと正式な終了証書が発行される、つまり履歴書に書くことができる経歴になるのだ。

日本で日本語教師になるための資格を得るには①4年制大学で日本語を専攻する②日本語教育能力検定試験に合格する③420時間以上の日本語教員養成講座を修了する の3パターンしかない。個人で日本語を教える分には資格を持っている必要は必ずしもないけれど、日本語ネイティブだからといっていきなり教えるのはかなり厳しいと思う。つまり、日本語を教える知識を見に付けるにはお金が発生するのだ。しかも学習し始めてから適性がないとわかるかもしれないし、想像していたものと違う可能性もあるので少しリスクが伴う。

その点において、私の日本語学校のティーチングアシスタントボランティアはとても“お得”だ。毎週、ティーチングアシスタントをする中で、日本語についての理解はもちろん、日本語の教え方も学べ、そしてなにより実践できる。直接資格には繋がらないけれど、この経験はもし日本語教育能力検定を受けるとするならば知識の土台になるだろう。

私は今のところ日本語の先生を職業にする予定はないけれど、日本人として文法的に正しい日本語(恐らく文法的に正しい日本語は私たちが普段使っている日本語とは少し違うと思う)や、それを教える方法を知ることができるのがとても楽しみで仕方がない。反抗期だというカナダの子どもたちと良い関係を築きながら、子どもたちに毎週楽しみにしてもらえるような空間作りに努めたいと思う。

※写真はダウンタウンにある本屋さんで見つけた本。著者が日本人なのにもかかわらず、内容がツッコミどころ満載で面白い。

例)Martin = 軍神、Mary = 辛酸、Patricia=高貴、Patrick = 貴族、Oscar = 神槍、Owen = 皇縁 など

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トロントの日本語学校” への3件のフィードバック

  1. 小川優佳 のコメント:

    こんにちは。日本人留学生の小川優佳と申します。ボランティアをやってみたいんですが、まだカナダに来て1ヶ月半くらいで英語は全然話せないんですが、出来ますか?

    • mikiando のコメント:

      小川さん、コメントありがとうございます。
      クラスにもよると思いますが、大丈夫だと思います。ボランティアを始めるにあたって英語のテストはありませんでしたので笑 HPから問い合わせてみたらいかがでしょうか?ボランティアできるといいですね。
      公式HP https://tjls.ca/

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