ボランティアは損か得か

カナダではボランティア活動が盛んだ。ボランティアの募集を探せる専用サイトがあったりもする。ずっと不思議だった。なぜみんな無償で働きたいのだろうかと。絶対に有償の方が良いだろう。私の周りの留学生の中でも意見は別れていて、カナダでの経験を積むためなら無償でも仕方がない、という人もいれば、無償なんて考えられない、絶対に絶対にボランティアなんてやらない、とういう人もいる。

私はとりあえずやってみようと応募してみた。Tea Festivalというイベント運営ボランティアだった。日本・中国・韓国のお茶のお祭りなので、日本人としての知識がもしかしたら生きるかもしれない、と思ったからだった。

ボランティアに選考はなく、事前に一度1時間のミーティングに参加した後、当日になった。私は来場者にメールアドレスなどの情報を紙に書いてもらうことを促進する、書いてくれた人にくじを引いてもらう、当たりくじを引いた人に商品を渡す、というポジションになった。イベントが始まり持ち場に着いたのだが、くじが用意されておらず、その場で紙を切りくじを作成するところから始めなければならなかった。どんどんお客さんが来場していることに焦りを感じつつ、ペアの人と急いでくじを作る。形式的には間に合った。でも…当たりくじを作る前(入れる前)にくじを引いてくれた人、ごめんなさい。

私のシフトは半日だったので、ボランティアが終わった後にフェスティバルの会場に入場できることになった。一緒にボランティアをしていた人たちは本当にお茶が好きな人たちだったらしく、大量のお茶やポットなどの関連の商品を買っていた。

なるほど。フェスティバルのボランティアをする人は入場料を払う代わりにボランティアをしていたということがわかった。フェスティバルの入場料は15CAD、ボランティアは最低4時間からなので最低時給の11CADにはまったく及ばないけれど、少し自分の時間を使ってイベントに貢献することで、無料でイベントに参加できるというシステムは素敵だ。金銭的な負担が難しい人でもボランティアをすることでイベントに参加するチャンスが生まれる。

そう考えるとボランティアも悪くない。

直接的に金銭負担をしなくても機会を得ることができるのは、なんだかカナダらしい。

私は機会があればまたボランティアに参加してみようと思う。

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