カナダ≠白人社会 ―カナダってどんな国?

一時帰国中にお会いした方の多くは、カナダについての知識がほとんどないようだった。カナダが好きでカナダに住んでいる私からしてみると、なんだか不思議な気分だ。でも考えてみたら日本のニュースでカナダが取り上げられることは稀だし、地球のほぼ真裏に位置するカナダについての知識がないのは当然なのかもしれない。ということで、今回はカナダについて少し紹介してみようと思う。

■面積

カナダはロシアに次ぐ世界第二位の面積を誇る大きな国である。なんと日本の27倍もある。だから国内でも東西の端っこと端っこでは時差が4時間半もある。以前、2人の方から「今度バンクーバーに行くんだけど、会える?」と連絡をいただいたことがあったが、私の住むトロントから日本人に人気のバンクーバーまではすいぶん離れていて、時差が3時間もあるので、ふらっと会うことはできない。2人とも、トロントとバンクーバーって近いのかと思った!と言っていたけれど、そんなことはないのです。

 

■言語

カナダと言えば留学やワーキングホリデーのイメージを持っている方も多く、英語圏だと思われているが、カナダの公用語は英語とフランス語である。それはカナダという国が成立する前にケベック州はフランス領で、その他の地域はイギリス領だったことが影響している。カナダの法律では、英語とフランス語を併記しなければいけない、とされているので、例えばスーパーマーケットに行っても、すべての食材の表記は英語とフランス語で書かれている。でも、カフェやレストランなどでは、そのエリアで話されている言語のみで書かれていることも多いので、私が8年前にフランス語圏であるケベック州で食事をする時には大変苦労した。すべてのメニューがフランス語で書かれていたのだ。今ではもっと英語表記のメニューを用意するお店が増えたと聞くが、フランス語圏で英語だけで生活するには不便を強いられると思う。(その逆もまたしかり。)

 

■カナダ人

人口は3,629万人。広大な面積があるのに、意外と人口は少ない。3,925万人のアメリカ・カリフォルリニア州の人口よりカナダ全土の人口の方が少ないのだ。人口の多い都市はトロント、モントリオール、バンクーバーと続き、首都のオタワは6番目の人口である。トロントとオタワのあるオンタリオ州にカナダ全人口の3分の1が集中している。

カナダというと、白人がたくさんいると想像されがちだが、2011年のデータによるとトロントに住む46%が外国生まれの人。インド、中国、フィリピンが特に多く、イタリア、イギリス、スリランカ、香港、パキスタン、ジャマイカ…と続く。簡単にまとまると、カナダ、特にトロントには移民がたくさんいるので白人ばかりではない、ということ。それも影響してか、各国のお祭りや各国の独立を祝うイベントなど、トロントにいながらにして様ざまな文化に触れあうことができる。

参考:http://canadaimmigrants.com/immigrants-in-toronto/

 

■気候

カナダって寒いの?とこれも色々な方に聞かれたが、地域差はあるものの、カナダは日本に比べて寒い。カナダの中でも南に位置するトロントでさえ1月の平均最低気温はマイナス6.7度、最高気温はマイナス0.7度。過去最低気温はマイナス32.8度。吹雪になると何も見えなくなり、交通が麻痺するのだとか…。3年前には吹雪で電気が止まり、家の暖房機能がストップして大変な騒ぎになったという噂も。生命の危機を感じずにはいられない環境なのです。

参考:http://www2m.biglobe.ne.jp/ZenTech/world/infomation/kion/canada_toronto.htm

 

さて。少しはカナダ(トロント)についてわかってもらえたでしょうか?冬の観光はオーロラなどが見られる一部の地域を除いてはおすすめしませんが、夏のトロントはとても過ごしやすく観光に適していると思います。来年の夏、トロントへ旅行にこられてはいかがでしょう?

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