日焼け対策は必要ない?

トロントの短い夏が終わろうとしている。とても寂しい。今年は昨年に比べて全体的に涼しく雨が多かったような気がするし、実際に周りの人たちもそう言っていた。でも考えてみると、この間の冬も、その前の冬も今年はおかしい、と言っていたから、もしかしたら気候自体が変わってきているのかもしれない。

涼しかった夏ではあるが、紫外線には何も影響しないので、日本の7~8倍あるというトロントの紫外線は私の肌と髪を直撃し、そしてダメージを残していった。私が先日美容院で髪を切ったのはこの紫外線の影響でもあった。

なぜ昨年よりもダメージを受けたのかと言えば、昨年よりも対策をしなかったことに尽きる。日本に住んでいる時には紫外線対策は絶対だったので、特別な用事がある時以外は常にUVカットの長袖を着て生活していたし、昨年はトロントでも日本と変わらないスタイルで生活していた。でもそんな私のスタイルに影響を与えた友人との会話が昨年にあった。

 

友人:何でこんなに暑いのに長袖なんか着てるんだ!見てるこっちまで暑くなる!脱げ!

私:日焼けしたくないんだもん

友人:日焼けの何が悪いんだ?夏なんだから日焼けして当然だろ?それが夏ってもんだ。

私:日焼けはそもそも肌にダメージを与えるものだし、シミになるから

友人:シミがあってもなくても一年中そうやって隠してたら一緒だろ!むしろシミのない今出さないでいつ出すんだ?おばあちゃんになってから出すの?意味わかんない。

私:私がキレイな肌を保ちたいのは誰のためとかじゃないから、いいの!(あれ?でも私もなんで日焼け対策しているのかわからなくなってきた…)

 

日本人の私は物心ついた時から日焼けは悪だと言われてきたし、ドラックストアや衣料品店には日焼けを防ぐ商品が大量に陳列されていることも手伝って、日焼け対策をするのは当然のことと思っていたし、それに疑問を持つこともなかった。でも日本に比べて長い長い冬があり、日光浴をする習慣のある国から来た友人にとって私の日焼け対策は理解できないことだったようだ。そもそも人種が違うので、日焼け後の肌の変化も少し違うのかもしれないけれど。

この会話をしてからというもの、私はなぜ日焼け対策をするのかよくわからなくなっていた。それでも昨年は何となく日本の感覚で日焼け対策をしていたけれど、なんだか今年はそこまで日焼け対策をしようという気持ちにはなれなかった。なんとなく、意味のあることのように思えなくなってしまったのだ。意味のないことに労力を使うのは無駄である。

価値観は環境が作る。違う環境で育った違う価値観を持つ友人からの「なぜ、なぜ」という今回の質問は少し居心地の悪いものだった。でもその居心地の悪さは私が明確に理由を説明できなかったことからきていることは明らかだった。今まで当然のことのようにしてきたこと、それに「なぜ、なぜ」と問いかけることは時に自分の価値観と環境を客観的に捉える助けになると思う。

この会話の最中には、「なぜ、なぜ」うるさいなぁと思っていたけれど、質問し続けてくれた友人にはほんの少しだけ感謝している。

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