少し前から、久しぶりに紙の新聞の定期購読を始めた。WEB版で記事の確認もできるので、わざわざ余分にお金を支払って、環境にも良くない紙で読む必要があるのか、と申し込み時には迷ったが、今は紙で購読することにしてよかったと思っている。
購読し始めたのは教育新聞社が週2回発行している(WEBは毎日更新)「教育新聞」だ。名前の通り、日本の教育事情について書かれているものである。
教育について調べる時、どのようなキーワードで検索すれば求めている情報が出てくるかわからない、という問題に直面し、改めて予備知識がないとGoogleで調べることさえできない、ことを痛感していた。そんな私にとって教育新聞は救世主だった。
知識に乏しい私にとって、特に紙の新聞で読むことに意味があったのだと思う。
紙で読むことのメリットは
①見出しだけでなく中身を斜め読みしながら、どの記事を読むべきか判断できる
これはWEBでもできると言えばできるが、クリックのひと手間なく小見出しやキーワードを斜め読みできるのは大きい。
②興味のない記事もその記事が存在することを確認できる
WEBでは興味がないとまずクリックしないので、その記事を読むことはない。興味がなくてもざっと斜め読みしてみると実は知っておいた方が良い情報だったりする。
③世間的にどんな話題が大切だとされているかがわかる
WEBにおいて記事は「平等」であることが多い。一面に掲載されるような大きなトピックだからといって文字が大きくなるわけではない(WEBにもよる)。だから知っておくべき事柄の確認漏れが起こり得る。すべての購読者に同じ紙面割で配られる新聞は、「新聞社の思想や意図に影響されている」。その点が今の私にはちょうど良いように思う。
④検索沼からの解放
WEBは便利だ。一つの記事を読めば、関連記事でどんどん興味のある記事を教えてくれる。でも気が付くとかなりの時間を使っていることも多い。紙面に限りのある新聞は有限で程よく情報を得られる。
もちろん詳しく知りたいことがあれば、WEBで検索して過去の記事も読む。つまり、紙だけでもWEBだけでもなく、両方なのが今の私にとって良いバランスなのだと思う。
意外に新しい発見だったのは紙面広告だ。教育者向け出版物や映像など、これまで気にしていなかったものを知ることができる。映画の東映には教育事業部があって、教育用の映像制作をしているというのは意外な発見だった。
さて、この教育新聞はいわゆる「専門紙」と分類されるもので、調べてみると色いろな種類があって面白そうだ(日経新聞もこれに分類されるらしい)。ではカナダでそのようなジャンルの新聞があるのかと調べてみたけれど、見つからなかった。カナダは地域別や言語別、バックグラウンド別の新聞は多いが、日本の専門紙のような一部の内容に特化したものはないようだ。この専門紙のジャンルの多さはもしかして日本特有なのかもしれない。
もう今年の配達はない教育新聞だけど、来年も楽しく読もうと思う。