CDG空港からバスに乗って凱旋門の前のバス停まで。朝8時のその付近は通勤中の会社員と思われる人たちがたくさん歩いていた。その中に紛れて歩いているとすぐに違和感を感じた。多くの人がたばこを吸いながら歩いていたのだ。年齢性別問わず、火をつけるたばこから電子タバコまで種類は様々だけど、多くの人がたばこを吸っている。
たばこの臭いが苦手な私は困ってしまった。早歩きをして前の喫煙者を通り越してやっときれいな空気が吸えると思ったのに、その前にもたばこを吸っている人がいた時の絶望感。なんとも言えない居心地の悪さを感じた。
凱旋門付近には短い間隔で横断歩道があるが、待っている人はこんな感じ。この中には3人たばこを楽しんでいる人がいる。
ふと道路に目をやると、そこには吸い殻が散乱している。灰皿は見当たらない。吸ったらみんなポイ捨てするようだ。歩きたばこにポイ捨てという、日本では昭和の古き悪しき慣習とでも言われそうな習慣がパリにまだ残っていた。華の都パリに住む、パリジャン、パリジェンヌは喫煙のマナーがないことを知ってかなりショックだった。
喫煙率を調べてみると日本より少し喫煙率が高いことがわかる(日本18.2%(2015年)、フランス22.4%(2014年))。でも日本との一番の違いは、女性の喫煙率の高さだろう。日本は男性30.1%、女性7.9%に対し、フランスでは男性25.8%、女性19.4%となっている。確かに歩きたばこの女性が相当数歩いていたので納得の統計だ(下記上段のグラフより)。
そして日本では2000年から2015年にかけて禁煙する人が増えているにも関わらず(27%(2000年)→18.2(2015年))、パリは日本の減少率よりも少ない(27%(2000年)→22.4%(2014年)(下記下段のグラフより)。
このことから日本より喫煙率が高く、禁煙意識も日本に比べて低いことがわかる。
WEBではこんな記事も見つけた。「毎年300億本!フランス人「ポイ捨て」の惨状」(東洋経済Online)。喫煙率もさることながらやはりマナーの悪さも問題になっているらしい。
私の住むトロントでは、室内での喫煙、歩きたばこは禁止で、喫煙所がビルの横などに設置されている。(たまにルールを破った歩きたばこの人はいるけれど)
そして時には道路に喫煙禁止のマークまで。
日本もカナダに比べると喫煙者に寛容な社会だと思うけれど、パリは東京との比較にならないほどだった。
パリといえば美しい街並みに、華やかでモデルのような美男美女をステレオタイプ的に想像したくなるけれど、パリの空気はたばこの煙に覆われ、よごれていた。
現地に行かないとわからないことはたくさんある。現地に行って、空気を吸って、空気を肌で感じて、そしてその街について知りたいのだ。だから私は旅が好きなのだと思う。そしてこれからも旅を続けていくだろう。でもできれば意外な負の側面ではなく良い一面を見て感じたいものである。
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