カナダトロントで12月25日近くになると、街中ではMerry ChristmasまたはHappy Holidaysと声を掛け合うようになる。キリスト教以外を信仰している人もいるので、Happy Holidaysの方がPolitically Correct(差別的でない)なのだ。Holidays の中にはChristmas(クリスマス:キリスト教)、Hanukah(ハヌカ:ユダヤ教)、Kwanzaa(クワンザ:アフリカ系)、Yule(ユール:ゲルマン民族系)などが含まれるらしい。なんともカナダ、トロントらしいことだと思う。宗教を気にせずメリークリスマスと言う無宗教の日本人とは少し感覚が違う。
でもこの呼び方に一部違和感を覚える人もいるらしく、12 月に入ってからの新聞で、カナダはキリスト教徒が作った国なのに、Merry Christmasと言えないなんて、伝統と文化の消滅に繋がるのではないか、という記事を目にした。カナダはフランス人が17世紀に“発見”し、その後イギリス人がイギリス領とした国なので、言っていることはわからなくもない。でももともとはネイティブカナディアンが住んでいたのだから、文化がとか伝統が、とか言われても、私としてはあまり腑に落ちない。まぁなんにしても移民が建国して、移民が増え続けるカナダでは“カナダらしい文化”を維持するのは難しいらしい。
さて、無宗教の私はクリスマスに何もすることがなかったので、“クリスマスに開いているレストラントップ45”というWeb記事を参考に友人とホテル内のレストランでブランチを楽しんだ。外食の需要はあるらしく、満席。なかなか繁盛していた。たくさんのプレゼントを持った人もいて、パーティーに行く途中に寄ったのだということがわかる。日本のお正月はお年玉だが、カナダのクリスマスはプレゼントなので、用意するのが大変そうだと、大きな紙袋一杯に無雑作に詰め込まれたプレゼントを見ながら思った。
食事の後は、チャイナタウンまで歩ける距離だったので、もしかしたら開いているお店があるかもしれないと期待して歩いていく。なんと、チャイナタウンは通常営業。行く場所がない暇を持て余した人たち(中国系もそうでない人も)で大賑わいだった。中国パワーを目の当たりにして、中国人の友人と大爆笑。キリスト教徒でないからかな、とも思ったけれど、噂によればコリアタウンの多くの店は閉まっているらしいのであまり関係なさそうだ。祝日にお店を開けて稼ごうとはさすが中国人である。商売上手すぎる。
クリスマスは、お店のサーバーも、カフェの店員さんも、バスの運転手さんも、みなテンション高くHappy Holidaysと迎えてくれる。クリスマスとはなんの関係のない私もなんだか嬉しい気分になる、そんなトロントでのクリスマスだった。
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