トロント生活唯一の不満

トロント生活も2年半が過ぎ、最初の頃に比べるとかなり生活に慣れたと思う。祝日には多くのお店が閉まること、お酒の変える場所が限られていることなど不便さを挙げることはできるけれど、多くのことは事前に対処することで大体どうにかなるものだ。だから特に不満はない。郷に入れば郷に従えだし、日本が世界の中で特別便利なのでそれをトロントで求めることはしない。

でも未だに慣れない、対策も取りにくい問題がある。移動手段である。 続きを読む

日本人入居者が喜ばれる理由

前々回(3回目の引っ越し)に書いたように、日本人だと言うと家のオーナーの反応が途端に良くなることがある。私は特に初対面だと日本人に思われないので、態度が変わるのがよくわかる。それは日本人の私(たち)にとっては当然なことでも他のバックグラウンドを持つ人たちにとっては当然でないことが多々あるからである。 続きを読む

トロントでの引っ越し方法

前回の「3回目の引っ越し」の続き。

日本で引っ越しというと一大イベントなイメージだけど、カナダだとそれほどでもない気がする。シェアハウス(リビング・キッチン・バストイレが共用で鍵付きの個人部屋がある、が基本)が気軽に借りられるのが理由の一つだと思う。シェアハウスでなければ、アパートやコンドミニアム、家を借りたり(買ったり)することもできるが、一番気軽なのはシェアハウスだと思う。 続きを読む

3回目の引っ越し

3度目のカナダでの引っ越しでやっと、トロントに住んでいる、と堂々と言えるようになった…ような気がする。私は時間通りに来ることがない電車やバスに乗りたくなかったので、学校のあるEtobicoke(エトビコと読む。エトビコの名前は先住民族の言葉が由来で英語ではない)というエリアに住んでいた。 続きを読む

カナダ密入国の日本人

カナダに船で密入国した日本人がいた、という事実を知っている人がどれほどいるだろうか。少し失礼かもしれないが、それまで私が思い浮かべる密入国者のイメージはメキシコ人だった。トランプ大統領がメキシコ人の密入国者を抑えるために国境に壁を作ると言った話が記憶に新しい。私にとって「密入国者」というのは私の生活とは直接あまり関係のない、少し離れた世界の出来事なのだと思っていたのだった。だからこそ、カナダに密入国した日本人がいた、という事実に驚き困惑した。 続きを読む

どんな最期を迎えるのか―カナダの老人ホーム

永遠なんてものはない。モノはいつか壊れるし、人間はいつか死ぬ。なんの問題もなく健康に毎日を過ごしていると忘れがちだけど、例えば今、座っているカフェで何かが起これば私はこの世からいなくなる可能性だってあるのだ。

ご縁をいただいて、トロントの健康に問題がある人用の中国系老人アパートにお邪魔してきた。知人がアクティビティのボランティアをしているので、それのお手伝いをさせてもらったのだった。 続きを読む

日系人迫害の歴史―日系カナダ人作家Mark Sakamoto

北米の日系人の歴史について、私は無知だった。それは今までその話題に触れる機会がなかったからだ。でもそれは言い訳に過ぎない。

2年前の夏、アメリカLAの全米日系人博物館に行って初めて、第二次世界大戦前後にいかに日系人が差別され、過酷な状況に置かれていたのかを知った。夏の暑い日だったのにも関わらず、館内で鳥肌が引くことはなかった。 続きを読む

日本語学校の卒業式で思うこと②―第二言語学習

カナダの公用語は英語とフランス語である。でもフランス語は公用語ではあるものの、基本的にケベック州でしかメインでつかわれていない。だからトロントでフランス語を聞く機会はほとんどない。学校で第二外国語としてフランス語を学ぶらしいが、あまり身に付かないのだと聞く。なんとなく日本の英語教育のような感じなのではないかと想像する。(オンタリオ州の一部の学校ではフランス語で授業を行っているところはある。) 続きを読む