日本人女性のイメージ

日本人女性に限ったことではないけれど、たまにびっくりするような日本人女性のイメージを持っている人に出会う。そんな人は今まで日本人女性と話したことがない場合がほとんどなので仕方がないが、メディアをベースにキャッチーな“日本の文化”が拡がっていることを実感する。

昨日初めて会った友人の友人は、その中でもかなり現実離れした日本人女性のイメージを持っていて受け答えに困った。と同時に、現時点で彼が知っている日本人女性は私だけなので、いかに彼にショックを与えることなく現実の日本人女性について理解してもらうかを考えた。気分は日本人女性の代表である。私の印象が悪いとすべての日本人女性の印象が悪くなる可能性がある。責任は重大だ。

彼に限らず、海外特にアジア圏出身の男子は日本のアダルトビデオが好きなことがある。でも登場するのはAV“女優”なので一般の日本人女性だと思われても困るし、言うまでもなく私はAV女優ではないのでよからぬ妄想はお断りである。カナダに住んでいるおかげで、この手の話に慣れている私はいつものように笑ってやり過ごしたが、他の日本人女性にそんな話はしちゃだめだよ、と釘を刺した。

私が早朝にジム通いをしていることを知ると「日本人女性が早起きなのは知っているよ、家族のために早起きをして朝食を作るんだよね」と言い、またもや私を絶句させた。私は早起きをして朝食を作ってくれる旦那さまがほしい、と思いながら「現代の日本人女性は働いているので必ずしもそんなことなない」とやんわり否定した。

彼は極端な例だけど、日本をあまり知らない人が日本人女性に抱くイメージは、彼のイメージとそんなに遠くないと思う。それにここトロントではメディアだけでなく“日本人女性”のイメージを後押しするような場所もある。

ダウンタウンの一角には日本人経営のメイド喫茶があり、そこでは幼顔の小さくて可愛らしい女の子が可愛いメイド服を着てウエイトレスをしている（基本的にアジア人。日本人の他に中国人、韓国人、ベトナム人などが働いている）。指定の時間には舞台でメイドさんがAKB48の歌を歌い踊ったりするパフォーマンスも。お客さんの中には常連と思しき人もいて、メイドさんへ大きなぬいぐるみのプレゼントなどをしたりする。

一緒に行った中国人女子は笑ってその空間を楽しんでいたけれど、私はなんだか複雑な気持ちになっていた。キャッチーな日本の文化だけがトロントで消費され、日本人女性のイメージが作られていると感じたからである。

でもそんなことを言っていても仕方がない。私は日本人女性のイメージを崩さない程度に現実の日本人女性を知ってもらうための草の根運動をこれからも展開していこうと思う。AV女優や可愛らしいメイドや家族第一の家族に尽くす女性は日本人女性の一部であって、決して全員ではないことを理解してもらうために。

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