イラン式BBQ

最近、イラン出身の人たちと行動することが増えてきている。その前は中国出身の人たちだった。トロントは色いろな国から来た人たちから構成されているので、色いろな国の出身の友達ができるのだ。多くの場合、同じ国出身の人たちで集まったりするので、その中の一人と仲良くなると、そのコミュニティの中で行われるイベントなどに呼んでもらえるようになる。

中国出身者のコミュニティに出入りしていた時には驚くことは少なかった。日本と文化が似ているからだ。ホームパーティーに行っても、レストランに行っても困ることはほとんどない。英語メニューの意味はわからなくても中国語で書かれたメニューから推測できるくらいだ。

でもイランはそうはいかない。中央アジアに位置するイランは、文化はなんとなく似ているところがある気がするけれど(とても気遣いをしてくれる国民性だと思う)、食事が東アジアのそれとは違う。そしてアラビア文字からなるペルシャ語は全く読めない。推測すらできない。

週末はイラン式BBQをするのだと言うのでお邪魔してきた。まず買い出しのためにイランのスーパーへ。トロントはNorth Yorkにイラン人街があるので、そこで何でも購入できるらしい。

最初に入ったのは大きなスーパー。

広々した店内(2月に行った時に撮影)

パン(ナン?)を焼いているお釜があって、みんな焼きたてのパンを買っていく。アツアツなので、紙袋に入れず直接カートに入れる人も。豪快すぎる。

たくさん購入するらしいおじさま

焼きたてのパンは袋に詰めるのを諦め、カートに突っ込む

ペルシャパンコーナーとパンコーナーの2つがあって何が違うのかわからないけれど、パンにこだわりを持っていることが推測できる。

ただのパンコーナーにはお客がいない

なんとお寿司も売っていた。お寿司は全世界の人に愛されているのだと実感する。

近くにある小さなスーパーには英語表記はない。何がいくらで売られているのか全くわからない。完全にイラン人専用のお店。

イランと言えばナッツである

ラマダン中に食べるのだという特別なお菓子をBBQ場所に向かう車内でいただく(BBQメンバーは恐らくムスリムだけど、ラマダンはしていないようだった)。予想通り、激甘である。目の覚める甘さのそれは、油と砂糖からできていた。半年分くらいの砂糖を摂取できた気がする。しばらく砂糖はいらない気分。

大きなスーパーで購入したこれは、イランで食べるのより美味しいとみんな嬉しそうだった

BBQの場所に着き、準備を開始する。イラン式のBBQはケバブなのだそうだ。日本は焼きながら食べるが、イラン式は全部最初に焼いてから皆で食べるスタイル。焼く係の人ものんびり食べられる。友人がすでにタネを作ってきてくれていて、それをスティックに付けて焼く。

食べる時は、ナンに包んでいただく。ラム肉のケバブは臭みも全くなくとても美味しい。飲み物は、ヨーグルトドリンク(微炭酸、キュウリ風味、無糖)。不思議な味だったけど、これはこれでアリな感じ。デザートはサワーチェリーの甘く煮たやつ?で盛りだくさん。バスケットの中から食べ物が出てくる出てくる。イラン式BBQは日本の焼くだけのBBQに比べて結構準備が大変そうだ。準備をしてくれた友人に感謝である。

イラン人の友人に出会うまでは、イランはアメリカのブッシュ大統領に悪の枢軸と言われた、ちょっと恐くてよくわからないイスラム教の国、というイメージだったけど、交流する中で政治と国民は別なのだと改めて思う。私が交流している人たちがカナダ在住10年ほどでカナダでもそれなりに良い生活をしているような人だからなのかもしれないけれど、偏見はいつのまにかどこかに行ってしまった。

次は日本式BBQね、と言われていて、唯一の日本人の私は少し困っている。まぁでもいいか、焼くだけだし。カナダの短い夏を存分に楽しもうと思う。

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