ホワイトホース在住の日本の方が、ホワイトホースで車を持っていると、持っていないよりも100倍楽しめる、と言っていた。それほどホワイトホースでは車が重要らしい。私は結局一度もバスには乗らなかったけれど、聞いた話によると、バスは6ルートで1時間に1本ずつしかないらしい。しかも日曜日はお休み。確かに車のない生活は不便そうだった。
でも車を乗るにしても通常よりも少し勝手が違うようだ。マイナス40度にもなることもあるホワイトホースでは、運転する10分前くらいからエンジンをかけて車を温める必要があるのだという。これでガソリンをかなり消費するのだとか…。また、詳しいことはわからないけれど、停車している間に、車をコンセントにつないで温めておくこともできるらしい。なので、コンセントのケーブルが出ている車が停車していたりする。
また、ホワイトホースを走っている車の多くはフロントガラスにひび割れがある。空港から宿に向かうタクシーにもひび割れがあって、このタクシー運転手は大丈夫なのだろうか、と心配になったけれど、街を歩いているとひび割れしていることは決して珍しいことではないことがわかった。
ホワイトホースの冬は基本的にマイナスの気温なので、雪が溶けない。なので、道は基本的に雪に覆われているのだが、それが凍結しないように、ソルト(カナダではソルトと呼ぶが、一般的な塩とは違うと思う)を撒くのだ。そのソルトの固まりが前の車のタイヤから後ろの車のフロントガラスに当たってフロントガラスのひび割れを起こす。最初は小さなひび割れも運転していくうちにどんどん範囲が拡がって行くのらしい。フロントガラスだけを交換する業者もあるらしいが、かなり高額らしい。なので皆ひび割れを気にせず乗る。
というわけで、車を持っていた方が良いけれど、持ったら持ったで色いろ大変そうだった。でも一番私が気になったのは、沿道の雪である。私のホワイトホース滞在中には雪が降っておらず、沿道の雪は少し前に降ったものが残っていた。でもその雪は排気ガスで茶色に色が変わっていたのである。車がないと生活が不便なので皆車を使うのだろうが、その排気ガスは確実に空気を汚しているのだと思うと、美しい自然と人間が共存するのは難しいのだということを思い知らされ、複雑な気分になるのだった。
3月6日追記:
沿道の雪が茶色なのは、滑り止めのために道路に砂を撒くためだと、ホワイトホース在住の方に教えていただきました。よかった!その方によれば、ホワイトホースは世界一空気のきれいな町なのだそう。これからもきれいな空気をキープして、自然と共存するホワイトホースでいてほしいと思うのでした。
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