カナダに寒く長い冬が来ると、毎年必ず思い出すことがある。暖かいマレーシアのクアラルンプールでの生活のことだ。マレーシアには雨季と乾季しかなく、一年を通して暖かい。マレーシアでの仕事が決まった時、持っていた冬服はすべて処分してマレーシアに移住したのに、どうしたわけだか今私は冬の長いカナダにいる。それはなぜだろうかと自分でも不思議な気持ちになるのだった。
最近行ったカフェでさらにマレーシアを思い出すとても懐かしい味に出会った。マレー料理を食べたのではない。それはなんちゃって日本食を食べた時だった。
メニューの名前は Light Cafe の Sukiyaki Beef and Onsen Egg Pasta である。日本に住んでいる日本人には理解できないメニューだろうと思う。なぜ私はこれをオーダーしたのかイマイチ自分でも良く分からないのだが、その時はこれを食べたかったのだ。
Sukiyaki Beef and Onsen Egg Pasta ($15) 薄いガーリックブレッドが付いてくる。
食べた瞬間に「あーこの絶対に日本ではない感じ、懐かしい！」と思い、その微妙な料理の味に懐かしさで胸がいっぱいになった。
その時に私が思い出していたのはマレーシアの家の近所のショッピングモールEmpire Shopping Galleryの中に入っていた日本食レストラン「パスタ三昧」である。と言っても、マレーシアではこのパスタを実際に食べていたわけではないけれど、とにかくなんだかこのお店を思い出したのだ。
エビ天ぷらの胡麻ダレ仕立てパスタ
エビと納豆のクリームソースパスタ
牡蠣キムチスープパスタ
この怪しさが伝わるだろうか？
このマレーシアのレストランの経営者については何も知らないけれど、恐らく中華系であろう。そしてトロントのすき焼きパスタを提供しているお店は台湾系カフェだったので、両方とも中華系アレンジのお店なのだろうと思う。中華系の日本食アレンジは奇想天外なものも多く面白い。
パスタ三昧のことなんてもう何年も全く思い出すことはなかったのに、食事は記憶をどこまでも呼び起こすなぁとぼんやりマレーシアのことを考えながら食事をして、ますますマレーシアの暖かさが恋しくなるのだった。そろそろマレーシアを再訪しなければ。
おまけ：パスタ三昧というお店で私が注文していたのはいつもごはんものでした。
