普段ほとんど現金を持ち歩かない。カードの方がラクだからだ。現金を使うのはチャイナタウンかコリアタウンで食事をする時くらい。このエリアにある飲食店では現金しか受け付けてくれないところが多い。きっとカードの手数料を払うのが惜しいのだと思う。
日本で紙幣の柄が変わるというニュースを見て、カナダの紙幣について改めて考えてみた。そういえば去年、カナダでも柄の変更があったな、なんてことを思い出しながら。
カナダには5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドルの5種類の紙幣がある。紙幣とは名ばかりで、なんとプラスチック製である。だから破れないしなかなか折れない。たまに紙幣を折ってスマホケースに挟むことがあるけれど、折るのに少し手間取る。折り目がなかなかつかないので、えいやっとスマホに挟んで強制的に折り目を付ける。
現在使用されている紙幣に書かれている人はこんな感じ。
- 5ドル―ウィルフリッド・ローリエ(カナダ第8代連邦首相)
- 10ドル―ヴァイオラ・アイリーン・デズモンド(アフリカ系カナダ人の女性実業家)
- 20ドル―エリザベス2世女王(皆さんご存じ、あのイギリス女王)
- 50ドル―ウィリアム・ライアン・マッケンジー・キング(カナダ第12・14・16代首相)
- 100ドル―ロバート・レアード・ボーデン(カナダ第8代首相)
とここまで調べてみて驚いた。元首相が3人もいる。そしてこれはさすがに気が付いていたけれどカナダ人ではないエリザベス女王もいる。
実は10ドル札を除く4種類の紙幣は2011年に発行されたものだ。2018年に柄が変更される前までの10ドルはジョン・アレグザンダー・マクドナルド(カナダの初代・3代首相)だったので、2011年に一斉に発行された紙幣は元首相4人とエリザベス女王だった。それ以前の紙幣も同じようにエリザベス女王と元首相ばかり。意外にも紙幣は政治家だらけだった。
現在の10ドル札は2018年から変更になっており、なんと国民投票の結果選ばれた人らしい。エリザベス女王を除いて女性としてはじめて紙幣に描かれた人で、アフリカ系カナダ人の実業家で人権運動を行った人だという。そんな人を紙幣にするとは、なんだかカナダらしさを感じる。
人物と一緒に描かれる模様は、毎回テーマがあり、2011年発行紙幣はフロンティアシリーズで、国会議事堂や図書館が描かれている。(2001年発行紙幣はカナダの旅シリーズ)
こやってカナダの紙幣と比べてみると、日本の紙幣に描かれる人物は様々なバッグラウンドを持つ人たちで、日本の紙幣はなかなか良いのではないかと思う。電子化によって紙幣の使用頻度は減ってくるだろうが、紙幣の柄からも国の在り方というかメッセージが伝わる気がするので紙幣文化は大切にしていきたいと思うのだった。