ユーロは高かった。そんな基本的なことも忘れていた私なのに今、パリの空港にいる。
それは東京行きの航空券を探していた時、ほとんど同じ値段でエア・フランスのパリ経由の航空券を見つけたからだった。トロントから東京へ行く時は5時間、東京からトロントへ戻る時には9時間半のシャルルドゴール国際空港(CDG)でのトランジットがある。これはパリに寄れてお得だと思い、迷わずその航空券を買ったのだった。
街中まで行く時間を考えると行きの5時間のトランジットは空港で過ごすことになるだとうと思っていた。インターネットの情報によると空港はかなり広いらしかったので、空港内をふらふらするつもりだった。でもそれはできなかった。
警備がとても厳重なのだ。国際線の乗り継ぎなのに乗り継ぎをする時に再度手荷物検査がある徹底ぶり。しかも機内でもらって未開封の飲んでいなかった水さえも没収された。こんなに厳しいのは初めてだ。
もちろん自分の乗る飛行機以外のターミナルへの移動もできず、私はひたすら空港内で待つことになった。
フランスなだけあって、どれもこれもお洒落なので買い物でもしようかとも思ったが、ユーロが高い。カナダドルと比べると驚きの値段だ(カナダドルが安すぎるのか?)。1ユーロ=1.51カナダドル=124.90円。なぜフランスの隣国スイスのチョコレートがカナダより高いのだろうか。絶対おかしい。
ウインドーショッピングをしながらふらふらしていると、芸術の都パリにふさわしくターミナル内に美術館を発見。覗いてみる。
少し驚いたのは、空港内はもちろんこの美術館もフランス語、英語、中国語の3つの言語で案内が書いてあったことだった。それ以外にもお店は中国の旧正月のような赤い提灯で装飾され、中国色が濃い。ここヨーロッパのパリでも中国のパワーを思い知る。
はらごしらいはクロワッサン。モーニングセット(クロワッサンとラテ)なので少しお得になって4.90ユーロ(約612円)。ラテの量がカナダのそれに比べてかなり少なく、値段も量もカナダとは違うのだということを思い知る。でもクロワッサンは絶品で、外はパリッと中はしっとり、食べ応えのあるものだった。値段と量はカナダに劣るが質は勝っていた。今まで食べた中で間違いなく一番美味しいクロワッサンだった。
強い貨幣で稼いで、海外旅行に行くのが賢い稼ぎ方なのだと常々思う。カナダドルがもう少し強くならないかな…って無理か。
搭乗まであともう少し。やっと飛行機に乗って東京に帰れる。