ペットに鑑賞される動物たち

久しぶりに動物園に行った。トロントでは有名なHigh Parkという大きな公園の中にある無料動物園、High Park Zooだ。トロント郊外にはToronto Zooという有料の大きな大きな動物園があるが、気軽に行くならダウンタウン近くのHigh Park Zooだと思う。私は実はこの日まで一度も行ったことがなかったのだけど、それを周囲の人に言うと、皆に驚かれていた。High Park Zooは誰もが行くトロント定番の場所らしかった。

10月14日、本当の目的はHigh Parkでの紅葉狩りだったのだけど、紅葉している木はほとんどなかったため、早々にHigh Park Zooへ。Zooは日曜日なこともあって、家族連れが結構いる。でも入園前に早速違和感を覚える。なんとペットが普通に入園しているではないか。しかも看板にも一緒に入園して良いと書いてある。日本では考えられないな、と思いつつ入園。園内には家族と一緒に動物を鑑賞しているペットの姿が。薄い針金の檻を隔てて、異なる種類の動物とはいえ、檻の中で自由を制限されて見世物にされている動物と、かたや人間と人間のように生活しているという、全く異なる生活をしている動物が対峙していて、私を何とも言えない気分にさせた。

入口。何とも分かりにくい。

ペットの犬は興味のないご様子。

私にはどちらが動物にとって幸せなのかはわからないけれど、檻の中にいるにしても、人間のように飼われているにしても、人間のエゴで動物たちの自然な本来の生活を壊しているのだ、と思うと人間とはなんだろうか、と考えてしまう。

一方で、こうして動物園で気軽に動物と会えるのでわざわざアフリカに行かなくても済んでいるわけなので、動物園自体を否定する気にもなれない。

そんなペット同伴可なHigh Park Zooは無料なだけあって(?)かなり殺風景の中に動物たちが展示されていた気がする。日本では恐らくこのレベルで殺風景な動物園はないと思う。本当に公園の中に動物を連れて来ました、みたいな作りだった。

園内。大きな道を隔てて両サイドに動物がいる。

一応、説明書きもある。

だからこんなに私を感傷的な気分にさせたのだろうか。でも園内の子どもたちは動物園を楽しんでいたようだし、これはこれで良いのかもしれない。私が少し考えすぎなのかもしれない。

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