少し前の話だが、大学でノロウイルスが発生した。なんでも200人以上が症状を訴えたらしかった。(大学からの最初の連絡では30人だったのだけど、最終的には200人になったらしい。)最初の人数がそんなに多くなかったこと、私が通うキャンパスではなかったことで、大変だなぁと思いつつも大して気に留めていなかった。
そんな私だったが、どんどん情報を得ることになった。大学のtwitterが情報を発信し続けていたからである。私はtwitterのアカウントを持っていないのだが、twitterと一部連携されている大学の学生用アプリケーションが情報を運んできたのである。頻繁にアラームが鳴るので少しうるさく感じるほどだった。
私が日本の大学を卒業したのは少し前のことなので、今の日本の大学のことは知らない。でもカナダの大学ならではの対応だと感じたことがあった。
まず、大学が「複数の学生が腹痛を訴えて病院へ運ばれたので原因を確認しています」と第一報を入れた。その後で、「保健所の検査を受けています」「ノロウイルスが原因でした」「保健所の検査を受けてOKが出たのでカフェテリアを再開します」という追加情報をかなりの頻度で流していく。むしろ追加情報がない時には、「引き続き検査しているので、結果が出次第お伝えします」という情報を流す。日本は大学に限らず、物事の経過ではなく確実な結果を伝える、ということを重視することが多いような気がするが、カナダでは違うように感じられた。
また、twitterでの学生の反応も様ざまで、原因がわかる前から「カフェのキッチンが前から汚いと思っていたよ!」と言ってみたり、再開すると言えば「保健所がOKと言ったとしても、もう信用できない!」などとかなり感情的な反応をしていた。でもそんなコメントに対しても大学側はかなり丁寧に返信していた。
ノロウイルスが発生してから、一時期キャンパス内のカフェテリアのセルフで淹れるコーヒーに担当者が付くことになり大行列ができるなど、色々な不都合があったものの、私にはちゃんと改善策をとっているように感じられて、引き続き安心して利用できるようになった。
今回のことから、問題の広報の仕方や解決方法は、国や組織によって違うのだということを改めて学んだ。
写真は売店のリンゴ。カナダの人は買ったリンゴを洗わずに皮ごとかじるので、菌から守るラップが必要のようだ。これもカナダならではの対応である。