コロナ騒動で日本に一時帰国してから早46日。東京の実家での日々がすっかり日常になりつつある。
3月18日までは帰国するなんて全く考えていなかったけれど、3月19日にトロント―東京間の飛行機が27日以降飛ばなくなる、というエアカナダのアナウンスを受けて、帰るなら今しかないと、19日の夕方、23日発の航空券を購入したのだった。
そこからは怒涛の帰国準備。家は引き払うことにし、トロントに置いていくものを知人の家で預かっていただく準備、帰国を決める前に購入した大量の備蓄食料品の引き渡し、トランクが1つしかなかったので段ボール集めから始まった帰国用のパッキング。
色いろな人に助けてもらい、なんとか日本に帰ってくることができた。
帰国を決めた理由はいくつかある。まず、カナダでの仕事がなくなったこと。私はカナダと日本から複数の仕事をいただいていたが、カナダの仕事は外出制限とともになくなったので移動が自由にできるようになった。
そして、カナダは外出制限で、家から出られなくなっていた。どうせ外に出られないのであればカナダにいるより日本の方が快適なのではないか、と考えた。
でも一番大きかったのは、帰国を決める2週間前に発覚した祖母の病気だった。飛行機の再運航を待っていたらもう祖母に会えないかもしれない、それが帰国の決め手になった。
そんな祖母は先週、亡くなった。ずっと離れて暮らしていたが、祖母に最期に会うことができお別れができたので、コロナに少しだけ感謝している。コロナがなかったら私はほぼ間違いなく帰国できていなかっただろう。
帰国して、約10年ぶりの実家生活は色いろな不自由さがありつつもまずまず快適だし、なにより時差なく仕事ができるのは助かっている。時差のあるカナダからはこのようにはいかない。
5月8日現在、いまだにトロント―東京間の飛行機は運行していない。5月末までは欠航が決定していて、6月以降も再開されるかわからない。そもそも私のカナダのビザステータスでは、飛行機が運行を再開したとしても入国はまだできない。カナダにはいつ戻れるのか、それはまだまだわからないけれど、どうにかなるし、どうにかするしかないし、どうにかならなければその時はその時に考えようと思う。
トロントでの生活を遠い昔のように感じながら、今日も東京で在宅ワーク、という「日常」を送っている。