英国スコットランド生まれで、ジャーナリストで編集者、新聞社を経営し、トロントの初代市長を務めたウィリアム・ライアン・マッケンジー(1975‐1861)が最後に住んでいた家で、現在は博物館として公開されている「マッケンジーハウス」に行ってきた。1月5日までAuld Lang Syne 19th Century New Year’s Celebrationという展示をやっていたので、それに合わせて行ってみたのだった。
トロントの繁華街からほんの少し入ったとことにひっそりとその博物館はあった。一見ただの古い普通の家なので、知らなかったら素通りしてしまいそうである。
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ひっそり。普通の家みたい。
そもそもこの家は1858年頃に建築され、マッケンジーが1861年に亡くなる時に住んでいた家だ。その後は学生寮になったりして使用されてきたが、1936年に取り壊す計画が出た時、当時カナダの首相でマッケンジーの孫であるウィリアム・リヨン・マッケンジー・キングが取り壊しを中止したらしい。その後、1967年にトロント市によって一部が増築されて現在の形に至る。だから、一部には当時の家具などもあるが、壁紙などは再現である。
今回の展示はスコットランド系カナダ人の新年のお祝いの再現だった。
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なんだか優雅である。壁に掛かっているのは奥さまの絵。本人の絵はこのストーブの左側にある。
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スコットランド風らしい。
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ガス灯。ガス栓を開けてから火をつける。
この博物館には当時の印刷機の展示もある。マッケンジーは良い市民が良い決断をする、という考えから新聞を使って市民を教育しようとした。彼が発行する週刊新聞Colonial Advocateは1部4ページで1,000部発行、6セントで販売されていたそうだ。記事を書くだけではく、印刷の基になるアルファベットのパズルの組み立てや手動での印刷に加えて、インクを乾かすのに1日かかったというからかなり重労働だったに違いない。
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私もカードを印刷してみた。
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これで一枚一枚インクを塗る。
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ぬりぬり
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カバーをかけてプレス機の中へ。
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上から圧を掛けて印刷中。
マッケンジーはスコットランドの労働者階級の出身だが、多くの本を読み、独学で学んだということもあって、知識を得ることや教育の大切さを人一倍感じていたのだろうと想像する。だからだろう、この新聞が1937年の憲法改正を訴えたUpper Canada Rebellionに繋がってきているという。
トロントにはこうした小規模ながら歴史的に重要な場所10ヶ所が博物館として運営されている。他の9ヶ所についても今年中に回ってみる予定だ。
トロントにこんな博物館があるのですね!レポートありがとうございます❣️
じゅんこさん、コメントありがとうございます^^ ダウンタウンの行きやすい場所にあるのでおすすめです!