上海で世界最速のリニアモーターカーに乗れることを知って、もうこれは乗るしかない、とうきうきしながら乗り場へ向かった。私は電車に詳しいわけではないが、乗るのは好きなのだ。
上海トランスラピッドで乗車するのは浦東国際機場駅から竜陽路駅まで。というのも、この1駅分しか運行していないのだ。急いでいるわけでもないし普通の地下鉄でも乗り換えなしでこの区間は移動できるが、ここはリニアに乗っていく。
有人切符売り場で切符を購入。なんと普通席で片道50元(750円くらい)もする(貴賓席は100元(1500円くらい))。乗車時間は8分程度なので高い気がするが、リニアに乗る為には仕方がない。
乗る前には荷物検査。これは上海すべての地下鉄駅でも行っているので、いつも通りだ。でも利用者に対してセキュリティの数が多い。こんなに人がいるなら自動改札機はいらないのではないかと思うほど。
この時は30分に1本しか電車がなかったので、改札付近の待合場所で待機。電車が駅に到着するまでホームに入ることはできない。
待合場所にはリニアの模型とちょっとした説明、子どもたちからのメッセージなどが飾ってある。待っている乗客はそれほど多くなく、私のような外国人が多い印象だった。
電車が到着するとゲートが開かれ一つ下の階のホームへ移動する。いつ電車が出発するかわからないので急いで乗車。
座席指定のない自由席で、座席自体はすべて固定されており、向きなどは変えられないタイプ。すべてのシートにカバーが着けられているのが印象的だった。
その他にはシートの横に置かれたゴミ箱や荷物置きエリアなど。
ちなみに私が座った横の窓は結構汚れていたので外の景色を楽しむことはできなかった。
発車するとみるみるうちに速度を上げて行き、この時の最高速度は301km/hだった。速度が上がると電車は結構揺れるが、301km/hをキープしている時間は結構短い。なんせ1駅8分くらいしかないのだ。ぐんぐん加速して速度をキープしたかと思ったらすぐに減速。待合場所では430 km/h出るという案内が出ていたのを見ていたので少し残念に思ったが、これは最高速度であって、常にこの速度で運転するものでもないらしい。
約8分間の走行を楽しんでいる間に竜陽路駅へ到着。車体の写真を撮っていなかったので、写真撮影をしていたら、係員に早くホームを出ろと急かされ、そそくさと後にした。
到着した竜陽路駅は予約していた上海中心部の宿までまだ離れていたので、地下鉄に乗り換え。リニア乗車はあっという間に終わったのだった。
地下鉄は5分に1本運行しているので待つ必要もなく快適に利用できた。後でよくよく考えてみると、リニアを使い途中から地下鉄に乗ると浦東国際機場駅から大世界駅(宿の最寄り駅)まで合計で54元(800円くらい)かかるのに、同じ区間を地下鉄だけで行くとたったの7元(105円くらい)で行ける。そう考えると、リニア利用者が少ないのは頷ける。
リニアといえば、日本でも品川駅から名古屋駅までの路線を工事中で2027年の開業をめざしているが、自然破壊が問題視されていたりして、なかなか上手くいっていないというニュースをたまに目にする。日本にリニアは本当に必要なのだろうか、この上海のリニアのようになくても問題ないのではないだろうか、と思えてならない。それでも日本は経済優先?で環境破壊などに疎いので、きっと開通してしまうのだろうな、と最後は日本の問題を思い出しもやっとしてしまったリニア乗車だった。