日本でタピオカブームが起こっていることは以前から知っていた。トロントにもある有名タピオカチェーン店が日本にも進出して、タピオカドリンクを買うまでに長い行列を作っていると知って、なんだか不思議な気分になっていたのだった。トロントでは同じお店にそれほど人は並んでいないし、並ぶのが苦手な私はタピオカドリンクを飲むために並ぶことはできない。そう考えると、トロントで並ばずにタピオカドリンクを楽しめている私はラッキーなのかもしれない。
そんな私が日本に一時帰国して街中を歩いてみて、ますます驚いた。日本でのタピオカブームの大きさを目の当たりにしたからだった。それはタピオカドリンクのお店だけではなく、大手コーヒーチェーンなどでもタピオカドリンクを提供しているのを見たからだ。
タピオカドリンクを提供することが悪いことだとは全く思わないが、こうも皆がタピオカブームに乗ろうとタピオカドリンクを提供しているのを見ると、正直かなりの違和感を覚える。そもそもタピオカを楽しみたいのであればタピオカドリンクのお店に行けばいいし、コーヒーチェーンにはコーヒーを飲みたい人がくるのではなかろうか。
ちなみにトロントも静かにタピオカブームは来ているけれど、タピオカドリンクは基本的にタピオカドリンク店でしか提供されておらず、私が知る限りコーヒーチェーンでは提供されていない。
無意識に日本と色いろな人種と文化が入り混じるトロントと比べてしまうのでなおさら感じるのかもしれないけれど、日本のこの一点集中的なブームには本当に驚く。これはテレビ番組で紹介された食材がスーパーの店頭から消える、という現象と少し似ているような気もする。この何でも短期的で爆発的な流行に恐怖すら覚える。
こんなことを書いている私だけれど、タピオカドリンクはたまに飲む。小腹がすいた夕方に空腹を紛らわすのに最適なのだ。私のタピオカドリンクとの出会いは2014年のフィリピンセブ島のChatimeだった。当時私の周りで少し人気で、友人とお店に行っていたのが懐かしい。それがこんな大ブームになるなんて思ってもみなかったけれど。
この日本のタピオカブームはいつまで続くのだろうか。ブームが去った後も定着するのか、これからどうなるのか見守りたい。