1年に1度は日本に一時帰国するようにしている、と言うと、お金に余裕があるんだね、とか、そんな頻繁に一時帰国してなにするの、なんて言われたりする。カナダ生活が長い人は、もう10年以上日本に帰っていないという人も珍しくないからだと思う。
私は今回カナダ生活を始めて3回目の一時帰国をしたが、誰になんと言われようがやはり一時帰国をして良かったと思う。
今回の約2週間の滞在でたくさんの方とお会いした。ほぼ1対1でのお食事会だったので、その都度私の今のカナダでの生活について説明した。質問に答えていくと自分の中でも考えが整理されるし、今するべきことが見えてくる。過去の私を知っている方がほとんどなので、質問やアドバイスも頷けることが多かった。
カナダでの生活も慣れてくると、自分の中で甘えが生じたり妥協をしてしまいたくなるけれど、そんな自分を客観視して、これから私がどのようにカナダで生活するべきなのかをイメージすることができた。
カナダで生活をしていると、お会いする方もその属性も偏ってくる。日本で30年間に渡って私と出会ってくれた様ざまな背景を持つ方々と再会することは、とても有意義に感じられた。
また、ネットのニュースを見ているだけでは分からない生の日本の情報を得ることができるのも、一次帰国をすることのメリットだと思う。カナダでネットを通じて得ていた日本の情報と、実際に住んでいる人から実感をもって語られることは少しずれがあるとも思った。ニュースは世間一般的なことを報道するので、私の友人知人がそれに当てはまっていない、ということなのかもしれないけれど、暗いネットニュースが多い中、私がお会いした方々は日々の生活を楽しんでいるように見え、それを聞く私もなんだか嬉しくなった。(明るいニュースは暗いニュースに比べてニュースになりにくいことも原因のひとつだろうが。)
正直に言えば、往復10万円超の航空券を購入し、日本円で日本に滞在すること(カナダドルは日本円より安い)は経済的にはあまり喜ばしいことではないけれど、私はこれからも毎年日本へ一時帰国するのだと思う。
そして、日本が嫌でカナダに出てきたのに、私はどこに住んでいても日本人で、なんだかんだ日本が好きなのだな、と一時帰国する度に思えるのは嬉しい誤算である。