カナダでは美術館がとても身近だ。常に入館無料の美術館もあるし、有料の美術館であっても週に1日、夜の数時間無料で開放されたりする。入館料は20CADくらいすることもあるので、無料公開の時間の前にはオープンの時間を待つ長い列が美術館前にできる。
多くの美術館では学割があるのはもちろんのこと、年間パスも売っていることが多いので、ちょこちょこと短い時間訪問し、新しく変わった展示だけを見学する人も多いと聞く。私はAGO(Art Gallery of Ontario)でガイドボランティアをしている友人がいるのでAGOであれば友人と入館すれば無料だ。それを利用して私もたまにAGOを訪問している。
特に用事もなかったので元旦にもふらっと訪問したが、面白い展示をやっていた。Lost and Farmedである。Lost and Foundではなく、“Farmed”。忘れものと植物を掛け合わせたアートである。Artist欄にはAGO youth council members in collaboration with Micah Donovanと書かれている。つまり美術館所属の子どもとアーティストの合作だ。
アートと子どもと地域と美術館と。それぞれの距離を縮める良い企画のように感じられた。
AGOの地下には工作スペースもあり開放されている。
美術館、博物館の規模や管理者、見学対象者にもよるのだろうが、たまに季節のデコレーションがされている美術館、博物館もある。この間モントリオールで訪問したマギル大学内にあるRedparth Museum(入館無料)はクリスマスの装飾がされていて可愛かった。
展示室の入り口でサンタがお出迎えしたかと思えば
はく製とクリスマスのコラボレーションもある。
化石とサンタも仲良く一緒にショーケースの中へ。
この緩い感じで化石の前にサンタが立っているのがカナダらしい。この博物館には同じ年の夏にも訪問していたので、その季節による展示の違いを感じることができて興味深かった。
日本の美術館に比べて入館者との距離が近く、また入館する人を選ばないカナダの美術館、博物館。そんな空間が私は好きだ。これからもふらふらと訪問するのだと思う。