「Miki!よさこいだって!すごーい!」とお台場でよさこいの踊りを写真と動画に撮りながら興奮して友人が言った。トロントで友人になった彼女は、最近日本で就職して日本で働いているアフリカ系カナダ人女子だ。日本語はほぼネイティブというスーパーガール。私は一時帰国中に、彼女のリクエストでお台場に来ていたのだった。
彼女はよさこいにとても感動したようで、よさこいのダンスグループに入ろうか、などと話をするほどだった。私は、日本の文化を知るいい機会になると思う、とお勧めをした。
よさこいは本当に日本文化がギュッと詰まったものだと思う。それはダンスの振り付けや衣装、音楽だけのことではない。皆で同じ振り付けを覚えて同じ動きをすること、フォーメーションなどグループで表現をすることなどがすごく日本的だと思うのだ。
カナダに来てから私が改めて感じたのは、日本では小さな頃から、皆で同じことをすることを求められることが非常に多い、ということだった。制服や指定の靴を身に付け通学し(カナダにも制服はあるけれど、女子はスカートとズボンなどオプションがあったりする)、体育の時間もおそろいの体操着、そして同じダンスをみんなで踊る。誰か一人が違うことをすることはない。「みんな同じ」学校生活を送る。
そのカナダ人の彼女に、カナダの学校では運動会などで集団ダンスをすることはあるの?と質問したら、チアリーダーくらいかな、と言っていた。日本のような集団ダンスはカナダではないらしい。
よさこいのチームの中には学校のクラスで参加しているところもあって、きっとこの中には参加したくなかった生徒もいるんだろうな、とか3連休なのに学校都合で強制的に参加しなければならないなんて大変だな、などと私は勝手に想像して複雑な気分になっていた。
カナダ人の友人は学校で参加するなんて、素敵!というようなことを言っていて、口に出して否定はしなかったものの、そんなに日本の学校生活は甘くないのよ、と心の中で思った。
私はカナダ以外の国の文化についてそれほど詳しく知っているわけではないけれど、この「みんな一緒」という日本の文化はかなり珍しいのだと思う。そこが日本の強みであり弱みにもなりうるのだと、カナダに住んでいて思うのだった。