全カナダ剣道選手権大会

3年に一度行われる世界剣道選手権大会に先立って19th Canadian National Kendo Championshipが行われた。日本で言うところの全日本選手権大会のようなものだと思う。3年に一度しか開催されず、今回はトロントでの開催(前回の2014年はモントリオールだった)と聞いて、見学に行ってきた。

試合は、個人戦が18歳以下男子の部、18歳以下女子の部、50歳以上の部、女性の部、男性の部

団体戦が、道場対抗子どもの部、道場対抗女性の部、道場対抗男性の部、州対抗子どもの部、州対抗女性の部、州対抗男性の部

と結構細かく分かれていて、2日間にわたって開催された。細かく別れてはいるものの、選手は個人戦の他に、複数のチームを掛け持ちするなどしていたので、選手の数は部の数を考える結構少なかったように思う。

私は女性の試合を中心に観戦したが、出身の州や選手のバックグラウンドによって実力差があった。日系カナダ人選手を中心に構成されたバンクーバーのあるブリティシュコロンビア州(BC)と韓国系カナダ人選手を中心に構成されたトロントがあるオンタリオ州(ON)は比較的強いが、フランス語圏のケベック州から来ているフランス系カナダ人選手はBCやONの選手には及ばない。

そもそも世界大会の結果をみても日本が一番強く次に韓国、ブラジル、アメリカと続くという結果なので、カナダ人だったとしても選手のバックグラウンドによって実力差が出るのはなんとなく納得できる。

剣道のスタイルも、選手ごとに少し違っていて、日系選手と韓国系選手の剣道スタイルは違うし、フランス系選手のスタイルはもっと違った。

もちろん応援スタイルや振る舞いも全然異なるので、剣道を観ているのに、日本の剣道しか知らない私は少し不思議な感覚になった。

そして無意識に日系の名前で、日本の剣道スタイルの選手を応援してしまうあたり、やっぱり私は日本人だなと思う。剣道が国際的になってくれるのは大歓迎だし、それは嬉しいことだけど、日本で剣道をしてきた私としては、やはり日本人の剣道スタイルや応援スタイルが一番美しく理想の形だと思うし、しっくりくる。

剣道に限ったことではないけれど、カナダや他国の文化を知れば知るほど私は日本で生まれ育った日本人の感覚を持った日本人なのだということを確認させられるし、それはもうほぼ変えることのできない私のエイデンティティなのだ、ということを実感する。

言うまでもなく、どこの国でどんな環境でどんな教育を受けて育つのか、ということはとてつもなく大切なことなのだ、と考えさせられる。

※試合結果はこちらから

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