タウンシップツアー 幸せとはなにか(5/5)

タウンシップツアー 地域内格差(4/5) 続き

こちらの家の中を見学させてもらうことに。

中に入ると共同のリビングがある。ここでは誰かが洗濯の途中だったようだ。

リビングにはちゃんと蛇口がありました。

1階部分に個室が4部屋。

電気はないので自然光を利用。

その中の1つの部屋にガイドの友人が住んでいるというのでお邪魔させてもらった。だがそこには信じられない光景が拡がっていた。なんと1つの部屋に3家族10人が一緒に住んでいたのだった。

この写真は部屋の入り口のドアから撮影させてもらったものだが、手前のベッドに1家族、左のベッドに1家族、写真には写っていないが右のベッドに1家族、という感じらしい。中にはテレビ1つと2口コンロ、小さな冷蔵庫があった。

このスペースに10人

やはりここもブラウン管にたこ足配線

どうやって3家族がこれで調理するのだろうか。

一応、コンテナハウスや掘っ立て小屋での生活に比べれば雨風は防ぐことはできるけれど、それにしてもこの広さに10人は辛い。プライベイトが保てないとかそんなこと以前の問題だ。

プライベイトスペースはほぼベッドの上だけ

でもだからか子どもたちは外で元気いっぱいに遊んでいる。

わいわい

裏庭が洗濯干しスペース

そんな厳しいランガでの生活だが、設置予定の学校などもあり教育に力を入れているようだった。これは準備中のアート学校。国内南アフリカからだけでなく、外国からも講師を呼ぶ計画があるらしい。

こちらは高校。

カラフルな色がかわいい。

でも学校のある大通りに面したクリニックの診察内容を見ると、決してここランガで生きて行くのは簡単ではないのだということが分かる。

ここではエイズが蔓延しており、また性教育不足から女の子は15、16歳で妊娠し母親になることも珍しくないという。旦那は働かず朝からアルコールに溺れ、たまに工事現場のバイトに行く。そして複数の愛人を持つ。なぜそれを奥さんは許すのか、と聞くと、そういう文化なんだよ、とガイドは笑った。

ガイドで学校のプログラムコーディネーターでもある彼は若い女の子への教育がとても大事だと考えているようで、そのためのプログラムに力を入れているのだと言った。男は覚せい剤をやったとしてもその気になれば挽回できる、でも女の子は一度妊娠して子どもが生まれたらもう人生のやり直しはできない。だから女の子が妊娠しないでちゃんと教育を受けて生活できるようにすることが一番大切なんだ、と言っていた。

ツアーの最後に彼は私にこの地区のことをどう思ったか、と質問した。私が答えに困っていると、それを感じとったのか彼は言った。ここでの生活は決してラクなものではないけれど、みんな笑顔で楽しそうだったでしょ、みんな貧しいけれど、人と人との距離が近いし、悪いことだけではないのだ、と。

確かに私は貧困部分にフォーカスして考えてしまっていたけれど、人生を楽しんでいる様子が見て取れたし、彼らの日常は決してただただ辛いもののようには見えなかった。そしてなにより多くの笑顔が見られた。

スマホを使いながら下を向きながら歩き、何かがあれば自己責任と言われる日本社会と、15歳で妊娠しても周りからの支援を受けながら貧しいながらも生活できてしまうランガ。

日本で生まれ育った私が今からランガで生活をしていけるか、ここで生活していくことを幸せに感じられるか、と言えばそれは難しいと思うけれど、彼らは彼らなりに楽しく人生を送っているのかもしれないと思えなくもなかった。

そう考えた時に、幸せとは何だろう、とこのランガを通して考えさせられた。そして、なんて人は不平等なのだろうとも思った。生まれた場所で、生まれた時の肌の色で、同じ人間なのにもかかわらず、こんなにも生活環境が違うものなのか、と。

カナダに戻ってきてもう数日が経つが、まだこのランガのことを考えるともやもやするし、このもやもやは消えないのだろうと思う。

でもだからこそ、この地区に行くことができて、良いガイドさんに出会うことができてよかったと心から思った。とても貴重な経験ができたことに感謝したい。

怪しいと疑ってごめんなさい。ガイドのレレとのツアーはとても充実した良い時間でした。

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